ブタガッパ 1ポンドトンテキ

名古屋駅 ButtaGappa 1ポンドトンテキ

厚切り豚と本格焼酎 ButtaGappa

午後7時から始まった会議が長引き、すでに午後9時を回っていた。名古屋駅前の高層ビル街を抜け、地元民の後をついて歩いく。景色は少しずつ暗くなってきた。ビルの高さも低くなり、ぽつんぽつんと住宅も現れた。こんなところに店があるのだろうか。10分ほど歩いて着いた店は「ブタガッパ」。

え?豚河童?

名古屋市民の、いや愛知県民のネーミングセンスがいまいち理解できない。戸惑う私をよそに、地元民は店内に入っていく。予約していた時間をだいぶ過ぎていたようだが、地元民の知人が経営する店らしく、融通を利かせてくれた。

豊富でユニークなメニュー

テーブル席に案内されると、まずは卓上のメニューに目が行った。

今日は水曜日なので、1ポンドトンテキが半額と言うことだが、コース料理で注文したとのことで、意味はなかった。

本日のオススメもユニークなメニューが盛りだくさんである。高千穂日之影栗とは宮崎で生産される栗のようだ。ミラクルコーンもミニ大根も牛ホルモンの唐揚げも気になる気になる。

この店の名物、1ポンドトンテキ。名古屋名物はほとんどが周辺地域から略取されたものだと聞く。ひつまぶし然り、天むす然り、熟女キャバ然り。トンテキもまた三重県四日市市が本場である。悲しいことに経済は規模である。すべては数に優ったものが勝つのである。ソーランよさこい節のおかげでよさこいは有名になったが、誰もが札幌が本場と勘違いしているだろう。あれは高知が本家である。だが、札幌市の三分の一ほどしか人口しかいない高知県がどうあがいても勝てないのである。

そしてももガッパサラダ。ブタガッパとモモガッパの関係がよく分からないが、野菜だから豚ではないのだろか。必食と言われたら食べたくなるのが人間だ。コース料理に含まれているだろう。名物を外すわけがないと、勝手な思い込みで自分を納得させるのだ。

店名に書くだけあって、焼酎が充実している。すべて、店主自らが試飲してから店に出すとのことだ。本日のおすすめは長崎県島原の麦焼酎「青一髪(せいいっぱつ)」。水平線と海の境目を指す、万葉集に出てくる言葉だとか。幻の焼酎を目の前にして、私は相変わらず角ハイボール。後日、調べてみると、青一髪の由来は下記の通りであった。

この希少な銘柄につけられた「青一髪」という名前は、長崎県生まれの盲目の作家・宮崎康平氏が命名したもの。その由来は、江戸時代後期の儒学者、頼山陽による漢詩の一節「水天髣髴青一髪」からだとか。「海と空は髪の毛一筋でつながっている」という、水平線の様子を表したもので、小さな町の海岸沿いで造られる、小規模ながら品質の際立った焼酎にふさわしい銘柄名といえるでしょう。

長崎の焼酎【青一髪(せいいっぱつ)】小さな焼酎蔵が造る幻の麦焼酎

万葉集ではなかったのである。

コース料理開始

まずはお通し。豆腐である。冷たくて気持ちいい。

続いては牛タンスモーク。レモンを絞っていただく。黒胡椒の香りが良い。

出ました、モモガッパサラダ。調べてみると「モモガッパ」という居酒屋が名古屋市栄にあり、その店の看板メニューのようだ。板ずりしたキュウリを、藻塩とゴマ油であえて、万能ねぎを散らしたものだ。ナムル風キュウリサラダなのである。簡単でシンプルで美味しい。自宅でも試してみよう。

出汁巻きねぎ入り玉子焼き。大根おろしと一緒にいただく。見た目にも白い皿に玉子の黄色が、青ネギの緑が玉子の黄色にそれぞれ映える。

出ました、1ポンドトンテキ。切る前に肉塊を丸ごと焼きあげたのを見せてくれた。酔っていたためか、写真がピンボケ。こんな時はデジカメを使わずにスマホを使うに限ると思い知らされた。本場、四日市では豚ロースの厚切りをじっくりと焼くのだが、1ポンドともなると調理の仕方も変わるのだろう。赤みがメインの肉である。

トンテキに付属のガーリックライス。こいつが美味い。腹が減ってるので、ついつい食べてしまう。夜の炭水化物は体に悪いと分かっているのだが、本能には逆らえない。

まだまだ続くよ、コース料理!

やみつき豚串揚げ(味噌)、カラシがない。味噌ダレだから当然か。こういう串だと食べやすい。ソースアジも食べてみたかったが、名古屋では許されない所業なのだろう。

餃子からはフルーツのような不思議な香りがする。肉の旨味を邪魔しているのが残念。洗剤の香りにも思えてしまう。

ちなみにトイレは温水洗浄便座である。

スパイシー手羽先唐揚げ。まあ腹がいっぱいだ。見るだけでいい。コース料理、どれだけ出てるのだ?まだあるのか?アラフィフのおっさん集団にこの量は殺人的だぞ。先ほどのガーリックライスを食べたのが大失敗だ。締めだと誰でも思うではないか。

コース料理メニューを発見。なかなかのボリュームでないかい。コスパがいいと言えばそれまでだが、食い切れてなんぼではないだろうか。

これが本当の締めなのか、フィッシュアンドチップス。イギリスで食ったことはあるが、あまり好きにはならなかった。胃の中は消化物充填120%、これ以上の圧力上昇は危険だ。波動砲が暴発する。ヤマトはよくも250%もエネルギーを溜め込んで平気だったな。そんなことないか、漏れ出したエネルギーが余剰次元との経路を開き、テレサを呼び出してしまったからなあ。一味の辛味が食欲をそそるって?人に回すんじゃあない。それなら自分で食え。アラフィフのおっさん達の押し付け合いが始まった。なんと醜い。

とまあ、なんとかコース料理を堪能することができた。次回、訪れることがあれば、ペース配分を考えて食事をしたいものだ。

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