野菜カレー

名古屋駅 フミーズグリル 一日分の野菜の鉄板カレー

名古屋JRゲートタワーランチ

パソコンの電源を会社に忘れた。出張もまだ日程半ばであり、パソコンのバッテリーは60%程度である。昨日、会社での会議で電源に繋がずに使用したのが敗因だ。まさか、ACアダプターを忘れるとは…だが、大丈夫。今までに同じような経験を何度もしている。私は5つものACアダプターを所有している。過去5年に、それだけ忘れたのだ。一度は紛失している。おそらく、どこかのホテルに忘れたのだと思うが、分からない。

そんなこともあって、常に予備のACアダプターを持ち歩いているのだが、そいつもどこかで使って置いてきてしまっていた。緊急事態だ。本日は午前中に刈谷での用事を済ませると、そのまま岡山県玉野市までの移動である。名古屋駅で新幹線に乗り換えるので、ビックカメラに寄ればACアダプターを購入できると踏んだのだ。読みは当たり、無事に目的を果たすと、次はランチである。ビックカメラが入居するビルのレストラン階、名古屋駅JRゲートタワーで食事をするのである。

さて、何を食べようか。名古屋まで来て、東京や仙台の店で食事はしたくない。かと言って、名古屋まで来たのだからと、あんかけスパゲティを食べる気にもならない。 昨晩が和食だったので、洋食がいいだろうか。だが、どの店にも食指が動かない。案内板だけでは実感がわかないので、レストラン階を徘徊してみる。

ふと一軒の店が目に留まった。サラダが大きそうだ。生野菜が食べたい。タコライスやロコモコは地元で食べるからいいとして、ステーキもべつになんだかって感じなので無視するとして、野菜サラダに野菜カレー。そう、野菜を食べよう。カレーにしよう。これこそ名古屋めしとまったく関係がないが、そんなの関係ねえ。

フミーズグリル ブランチ

店に入ると、テーブル席に案内された。メニューを見て、自分の意志がカレーで揺るがないことを再確認する。ファイナルアンサーだ。

注文を終えると、水を自分で汲んでくるように店員に促された。水は入口の方に並んでいる。三種類が選べる。いわゆるセルフだ。

せっかくなので、全種類チャレンジしてみよう。まずは定番とおぼしきレモン。液体の出が悪い、というかボトルに中に水がほとんどない。やはり一番人気なのか。再度、汲みに来た時には水がたっぷりと補充されていた。グレープフルーツは私にとって禁忌の食べ物であるが、この程度の濃度なら無問題だろう。降圧剤のシルニジビンを服用しているために、気を付けなければならないのだ。

続いては緑。キュウリが思いっきりフューチャーされている画像に、少々飲むのをためらったが、せっかくの機会だ。口に含んでみると、思ったほど青臭くない。ライムの香りが鼻をほんのりとくすぐる。

高血圧の予防とあるが、こんなもので防げる程度なら、それは高血圧とは呼ばぬ。キュウリに含まれるイソクエルシトリン及びカリウムがその成分だと言いたいのだろうが、効果が認められる量をこの水から吸収するならば何十リットルと飲まねばならぬ。そもそもカリウムなら…以下自粛。

高血圧の話になるとムキになるお年頃なのだ

赤は後で飲もう。

ボリューミーなサラダに上機嫌

テーブルの上は必要最低限の食器と調味料でシンプルにまとめられている。まさに機能美。

サラダは「彩り野菜のヘルシーサラダ」と「生ハムとチーズのリッチサラダ」の二種類から選べる。迷わずヘルシーサラダをチョイスなのだ。肉も乳製品も余計なのだ。私は野菜を集中摂取したいのだ。

思ったよりもボリュームがあるサラダが嬉しい。サニーレタスがメインで、パプリカにかぼちゃ、にんじんに…カブ?ではない。大根でもない。まさかのコールラビだろうか?緑を基調に原色系のカラフルな野菜をちりばめた、オシャンティーなカフェ系さらだ。とんかつ屋の千切りキャベツとは一線を画しているのは、やはり客層が女性中心だからなのか。おっさんの一人客は私だけ。よくあることだ。そんなの関係ねえ。

酸味がしっかりと効いたフレンチドレッシング。美味いのだが、酸味にむせそうになる。なんの罰ゲームなのだか。それとも肉食女子は強酸性の液体が好みなのだろうか。野菜はシャキシャキでみずみずしく、食感もよい。嬉しくなる。ほおが緩む。

一日分の野菜の鉄板カレー

サラダを平らげた後は、本日のメインだ。今度は一転して加熱野菜だ。透明感にあふれたキラキラの強酸性ドレッシングではなく、沸騰水に無理やり投入されて細胞壁を破壊された上に、茶色いドロドロの液体に沈められた、無残な野菜たち…ではないな。こちらも見た目はオシャンティーだ。カレーは飲み物が半ば常識の五十路にはまぶしすぎる。

食べてみると、見た目ほど野菜がたっぷりでもない。ブロッコリー、パプリカに玉ねぎ、ズッキーニ。ルーはスパイシーだがそれほど辛くない。雑穀米となかなか合う。付け合わせに大量のフレンチポテト。

これはいただけない。

昨日読んだCNNの記事によれば、三年もの間、フレンチポテトとポテトチップスだけを食べていた少年が失明した症例が学会で発表されたとあった。それだけしか食べない少年も、それだけを食べさせていた両親も、明らかに味覚障害と言うか、食に興味がない、もろにアングロサクソンの典型ではないかと思わせる。これこそが大航海時代にイギリスを大英帝国たらしめた原動力なのだ。冷蔵庫もない時代、長期間の航海に耐えるには、味覚音痴であることが必要不可欠だったのだ。

カレーにじゃがいもはつきものなのだが、フライドポテトだとなんだか嬉しくない。なぜだろうか。

赤いデトックスは甘酸っぱい。ほんのりとラズベリーのような味わいだ。コップが小さい。何度もお代わりしに行くのが面倒だ。デキャンタが欲しいところだ。おしゃれと効率は背反関係にあるとでもいうのか。実用性を満たしてこそのおしゃれではないのか。それとも単に私が平均的な人間よりも吸水能力が高すぎるだけなのか。

もうやけくそだ。ポテトもご飯もまとめて食べてしまえ。ふむ、案外悪くない。ポテトに油のコクが加わり、カレーと相まって雑穀米を味わい深くしてくれる。

カレーキャンプをパクった…ではなく、リスペクトしたかなような一品。この店で唯一の肉なしメニュー。本音を言えば、タンパク質も摂取したかったが、今の私は野菜に飢えていたのだから仕方がない。

ああ、またコップの水が空だ。面倒くさい。完食したことだし、店を出よう。

でもなあ、やっぱり住よしのきしめんも食べたい。またの機会にしよう。次に名古屋を訪れるのはいつの日か。

(Visited 19 times, 1 visits today)