宮崎でランチを食べる
宮崎に来るのは一年九ヶ月ぶりだ。沖縄はまだ半袖なのだが、鹿児島空港に着いた時に寒いと感じた。慌ててジャケットを着る。そこからバスで2時間。宮崎駅に着いた。
とりあえず、駅前から商店街を歩く。事前にネットでどの辺りに店があるのかは調べておいた。しかし人通りがない。道を歩くとカレーの香りがしてきた。ああ、うどん屋さんだな。だが、きっと夜の締めだろうから、うどんはパス。てくてく歩く。天気予報は雨だったが、傘を忘れてきた。なんとかなるだろう。なんだか食指が動く店が見当たらない。
アーケードの方に向かって歩くと、飲食店のスタッフらしき人が、客と思しき年配女性らと路上で立ち話をしていた。どこに店があるのか、辺りを見回してみると、ビルの二階に店を見つけた。
パリの朝市
さらに歩いてアーケードにたどり着いたが、気になる店がない。と言うか、先ほどの店が気になる。食べログで見てみると、点数は高くない。ハンバーグがうまいと書いてある。いや、ここは自分の勘を信じよう。来た道を戻り、先ほどのビルに向かう。
店は階段を上った先だ。
店の雰囲気とは不釣り合いな営業中を示す看板がある。その左手の重い木のドアを開けると、私は店に入った。
すでに午後一時を回っていたので、客は少なめだったが、予想通り、熟年女性客が主流だった。四人がけのテーブルに案内されると、私はメニューを広げた。パスタ、ドリア。いや、これだ。スペシャルランチ。ビーフシチューとハンバーグを一度に食べられる。
オーダーしてトイレに向かう。トイレは洋式だが温水洗浄便座ではなかった。
スペシャルランチ
さて、ポタージュは素材の甘みを引き出した自然な味わい。塩加減は薄味で、飽きのこない味わいだ。クルトンではなくパンだろうか、噛むとジュワッと潰れる食感が楽しい。
メインはハンバーグとビーフシチューのコンビ。見た目にも美味そうだ。ハンバーグにナイフがスッと入る。柔らかい。かといってボロボロ崩れはしない。口に入れると、粗挽きの肉の食感に玉ねぎの甘みが肉の旨味と絡み合う。その中にピリッとした刺激がある。胡椒だ。粗挽きというより、丸胡椒に近い。スパイシーだ。大人の味だ。
ビーフシチューの肉はほろほろで柔らかく、口の中で溶けるようだ。しっかりとシチューの味がするのにハンバーグと合わせると、自己主張が消える。そこに胡椒がピリッと刺激する。たまらない。付け合わせのポテトもソースと相性がいい。
食が進むうちにハンバーグはだんだんと柔らかくなっていく。ナイフを入れると身がポロポロと崩れるのだが、口の中に入れるとふわっと溶けるように広がる。以前、テレビで料理評論家が「ハンバーグは肉のおかゆです。」と話していたが、まさにこんな感じなのだろう。
デザート
カカオのババロア。ねっとりとしていて滑らか。ミルクプリンのような懐かしい、優しい味だ。ババロアを食べたのなんて何年ぶりだろうか。甘さ控えめなのが嬉しい。紅茶にも合う。私はお菓子作りをしないので、プリンとババロアの違いがよく分からないのだが、材料にはあまり差がなく、作り方が違うようだ。
なかなか充実したランチだ。ゆっくりと食べられるのもいい。お昼時は相当繁盛してるのだろう。機会があれば、また来てみたい。
パリの朝食
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)