宮崎市 ぶたまん ギョーズ

宮崎市 橘町 中華料理 ぶたまん ギョーズ定食ペア

ランチ狩り

どこの街に行ってもランチはオフィス街、夜は飲屋街が基本である。昼の飲屋街は明るい日差しの下にスッピンを晒しているかのような街並みで、閑散としていて人気もほとんど感じられない。歩いているのは業者がほとんどである。

本日の会議は14時からなので、ホテルの近くでランチを済まそうと思ったのだが、ラルゴのランチカレーを食べる気にはなれず、もう少し胃に負担のかからないものをガッツリと食べたかった。昨晩は締めにかちゅ麺を食べてしまったので、朝食は抜いた。あくまでも一日三食なのであり、二食でも四食でもダメなのだ。

本日のランチに求める条件は二つ。第一にゆったりと食べられること。人の多い人気店は論外だ。大型店もパスだ。静かに食事を楽しみたい。第二に胃に負担のかからないものを食べること。揚げ物は話にならぬ。ラーメンは論外だ。これだけで、チキン南蛮と辛麺が対象外となる。うどんも悪くないのだが、混んでいそうだ。飲屋街を歩けば路地裏にひっそりとたたずむ、静かなうどん店でもあるのではないかとウロウロしてみたが、ことごとく店は閉まっていた。

ワンタン麺でも食べたいかなあ。

ラーメンはスープの種類が豊富であるが、ここ宮崎は腐っても九州、豚骨ベースなのは想像に難くない。沖縄そばの豚骨スープは胃に優しいが、豚骨ラーメンのスープはパンチの効いているものもあるから、油断ならない。対してワンタン麺は鶏ガラ醤油と相場が決まっているから、安心できると言うものだ。

そうか、中華料理店を探せばいいのだ。再び、飲屋街を徘徊する。細い路地に入ったところで、電柱に気になる文字を見つけた。

「ぶたまん」

いいねえ。豚まん食べたい。コンビニの肉まんとは違うのだ。中華の香辛料の効いた豚肉ベースの餡を包むホワホワなのにしっとりとした、それでいてどっしりと餡の味付けを受け止めるまんじゅう。

食べたい。

中華街風の店構えは、地元で愛されて何十年と行った趣でもある。よし、ここで食べよう。

中華料理 ぶたまん

店に入ると客は誰もいなかった。お昼時である。ランチタイムである。

少し不安になるが、気を取り直してテーブル席に座る。店内は赤基調の内装だ。中国人はとにかく赤が好きだ。若い頃、元妻(中国人)が真っ赤なブラとパンティーを洗濯して干していたので、男でもできたのかと思ったら、風水で金運を呼ぶのだと言う。それから私も赤いボクサーパンツを履くことが増えた。下着のカミングアウトはどうでもいいのだ。さて、何を食べようか。

豚まんに惹かれて店に入だだにもかかわらず、メニューに豚まんはない。

意味不明。

ああ、そうか。ここで店名が「ぶたまん」であることを理解した。紛らわしいわっ!

ワンタンメンを食べようと考えていたが、ニラ餃子の表示が目に入る。定食にするか。焼き餃子はニラと白菜のいずれか、もしくはペアが選べる。水餃子では選べない。ならば焼き餃子定食ペアと行こうではないか。餃子ではない、ギョーズである。どこの発音だ?北京語ではジャオズになる。ドラゴンボールにも出てくる。

定食が出されるのを待っていると、ひとりの地元民らしき客が入店した。ビールと焼き餃子ペアを一枚注文する。なるほど、これが常連の鉄板なのだな。私も追随しようとしてやめた。なぜなら、ランチだからだ。このあと大きな会議だ。飲むわけにはいかない。そもそも昨晩飲み過ぎた上に、今日も明日も飲まなければならぬこの身だ。昼間は内臓をいたわるべし。

テーブルの上の調味料はコショウ、醤油、ラー油、酢である。そうか、今晩はラルゴの水餃子で締めるのもアリだな。BGMは明るいラテンの音楽だ。ジプシーキングスを彷彿とさせる。

ギョーズ定食ペア

さて、ついに運ばれてきた我がギョーズ定食。皿に書かれた5桁の電話番号が、店の歴史を物語っている。いくら宮崎が田舎、いや僻地、いやいや秘境とは言え、5桁っていつの時代だろうか。やはり地元で愛されてン十年と言う推察は間違っていなかったようだ。

まずはスープからいただこう。薄味で優しい味がする。ふんわり卵が熟練の技を感じさせる。

餃子はニラ玉だ。美味い。薄いがしっかりとしたパリパリの皮から、小麦粉の風味をしっかりと感じ取れる。ニラの香りに卵の甘み。酢醤油がコクと塩味を演出する。白菜はしっかりとしたコクがある。ひんやりしたきゅうりの漬物は箸休めに最適だ。

ニンニクがガツンと来ない、大陸式の餃子か。パンチはないが優しい味だ。くっついた餃子同士を剥がしても、皮が破けることがない。一つ一つがしっかりとしている。これはすごい。

だが、完璧に見えるものにも欠点の一つ二つはあるものだ。餃子八個とご飯のバランスが悪い。ご飯が余ってしまったのだ。ラーメンとギョーズペアが正しい組み合わせだったか。それではライスが食べれぬではないか。元々は豚まんとワンタン麺に惹かれて店に入ったはずだ。

仕方ない。最後は白飯だけをやっつけてフィニッシュなのだ。悪くはなかった。ニラ玉餃子が味わえただけでもいいではないか。次回はワンタンメンを食べることにしよう。

ところで宮崎ラーメンとはなんなのだろうか。気にはなるが、なぜか食べる気にはならないのであった。

(Visited 44 times, 1 visits today)