とんかつ どんと
午後に受験する模試の試験会場はホテルから歩いて行ける場所だった。せっかくなので松山の食事を食べたいが、これ、と言うものが思い浮かばない。地図で調べると、通り道の駅前に定食屋があるみたいだ。ナビに従って歩く。5分ほどで到着。この辺りにあるようだが、それらしき店は見当たらない。ブロックをぐるっと一周してみたが見つからない。仕方ない、次だ。
試験会場に行く途中にショッピングモールがある。ここなら食事ができそうだ。さらに歩くこと10分。フジネットスーパーに到着。中に入るといろんな店がある。ここなら飯も食えそうだが、松山らしい店がない。
ふと、手書きの看板に目をひかれた。
「本日のおすすめ やわらかロースカツ定食」
さらに驚きのメニューが。
「日本最南端のそば産地宮古島から一足早い新そばが届きました。」
おいおい、宮古島ったら「宮古そば」だぞ。具が見えないよう、底に入れた沖縄そばだぞ。蕎麦なわけなかろうが。
メニュー
さらに追い討ちをかけるようなメニューに目をひかれる。
「ドミグラスソースで食べるとんかつ」
もうダメだ。蕎麦もとんかつも好物だ。店がファミレス風なのが気になるが、どちらを食べるかは店内で考えればいいことだ。私は暖簾をくぐった。
入口には店名の由来が紹介してある。これは期待できるのか?メニューは豊富だ。家族連れにはたまらないだろう。さて、蕎麦かとんかつか。このファミレスのような店で、しかもとんかつメインの店で、美味い蕎麦が食えるのか。しかも宮古島だ。訳がわからん。気分としてはがっつり食べたい。試験にも勝ちたい。よってここはとんかつだ。それもただのトンカツではない。レモンポークのロースカツ定食180グラムなのだ!
トンカツ屋でキャベツがおかわり自由なのは当然だとして、問題はドレッシングだ。豚々ジャッキーのように、昔ながらのスタイルで醤油かソースという店もあれば、オリジナルドレッシングの店もあるが、個人的にトンカツキャベツにはノンオイルが理想的と考えている。
レモンポークのロースカツ定食
さあ、来たぞ!見せてもらおうか、レモンポークとやらの実力を!うん、確かに肉はうまい。脂の旨味がなんとも言えない。それなのに、衣が厚いために、後味が悪い。
口の中に粉っぽさが残る。せっかくのいい肉が台無しに。残念だ。キャベツスライスは薄く、みずみずしく、シャキシャキとして美味い。オリジナルの焙煎ごまドレッシングは、思ったほどゴマがくどくない。
ごちそうさま
ほぼ食べ終わった頃、隣のテーブルに、年配の三人組が席に着いた。蕎麦を注文している。店員が説明する。
「お蕎麦は、宮古島から来ました新そばがあります。少し白っぽくて喉越しもいいですよ。それと、今までの普通の蕎麦もあります。」
それは、更科蕎麦?そんなにオススメなのか?やはりとんかつは失敗だったか?しかし、客はつれなかった。
「普通のでいいよ。」
新そばにはあまり興味がなさそうだった。
宮古島で蕎麦の栽培なんて聞いたことないけどな。調べてみたら宮古島で蕎麦を無農薬栽培している店があって、JTAの機内誌でも取り上げられていたとのこと。いーあるふぁんくらぶ風に言えば
「これは、行かなきゃダメだ。」
なのだ。
やっぱり蕎麦にすればよかった。トンカツ食べて勝つつもりが、負けてりゃ世話ないよ(涙)
とんかつ どんと
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)