都そば

京都 四条河原町 都そば 四条店

雨の京都

朝から雨が激しく降っていた。最近は出張先で雨が降ることが多い。先週の札幌も雨だった。幸いなことに宿泊している四条河原町は、多くのアーケードが設置されている。四条通り、河原町通り、寺町通、新京極、錦市場。すべてアーケードでつながっている。昨晩は1時頃まで呑んでいたので、少し体が重い。ホテルではよく眠れないので、結局、朝早く目覚めてしまい、それからしばしベッドの中でゴロゴロしている。

今回も素泊まりにしたので、朝食は外だ。どんな店があるのだろう。傘をさすのが面倒なので、アーケードのみを歩くことにした。歩けど歩けど、開いているのはカフェとファストフードのみ。錦市場もまだ開いていない。

仕方なく四条通りを歩いていたら、カツオだしのいい匂いがするではないか。香りに惹かれて着いた先は、立ち食いそばだ。うーむ、どうしよう。京都と言えばにしんそばだ。タンパク質だ。しかし、なんとなく食べる気にならない。天ぷらそばや揚げ入りでもなあ。おぼろそば、とろろ昆布入りも、うーん。視線を移した先にあったのが「紅ショウガ天ぷらそば」。深夜食堂で有名になった、あれか。うん、紅ショウガは好きだし、これにしよう。

都そば

ターゲットが決まったので、自動ドアを開けると、中はカウンターのみの小さな店だ。食券機もなく、注文と現金を引き換える昔ながらのシステムだ。紅ショウガそば、温玉トッピングを注文する。目の前にご飯ものが並んでいる。チラシ寿司、バッテラ、稲荷すし、おにぎりなど、充実してるのが京都らしいのか。

袋から蕎麦を取り出すと、慣れた手つきで大鍋に入れ、湯がいたソバのお湯をよく切ってどんぶりに移す。つゆを入れ、天ぷらをのせ、温玉を入れ、最後に九条ネギを添える。そして目の前に出てきた。この間、わずか1分18秒(推測)立ち食いそばがファストフードたる所以だ。

熱いどんぶりを持って口に運ぶ。まずはつゆを一口。熱い。かなり熱い。立ち食いそばのつゆをこんなに熱くしたら、すぐに食べれないような。そして、しょっぱい!なんだ、これ?ここは東北か?つゆは東京のそばつゆのように黒くない。どちらかというとうどん出汁に近い色だ。もしや、ここはうどんを食べる店か?でもにしんそばは京都だな。店内を見回す。右側の地元民らしきおっちゃんはうどんだ。後から入ってきたおっちゃんもうどんを頼んでいる。カウンターの端にいる、欧米系の二人はうどんと蕎麦だ。一人は箸に蕎麦をくるくるっとパスタのように巻いて食べている。それでうまいのだろうか。

そばは立ち食いそば独特のコシのない麺。いや、昔ながらの立ち食いそばと言ったほうがいいだろうか。25年前に立ち食いそばに冷凍めんが導入され、その後、富士そばの麺がコシのある麺となり、究極はゆで太郎。立ち食いそばのレベルを超えた麺だ。しかもゆで太郎はゆでたてを出すのがポリシーだ。丸亀製麺と同じだ。それゆえに、ゆで太郎の弱点として、蕎麦のゆで具合が店員の力量に左右されてしまい、店舗ごとに品質がばらついてしまう。同じ蕎麦を同じ厨房でゆでているのに、おいしい店舗といまいちな店舗に分かれてしまうのだ。

しょっぱいのだが、やはり七味を入れたい。七味と言えば清水坂、三年坂を上がったところにある店が好きなのだ。子供の頃は毎日のようにあの店から匂ってくる山椒の香りを嗅いでいた。今でも清水に行った時は必ず寄るのだが、今回は時間がないな。最近は出張が重なって、京都でゆっくりと過ごすことがない。

ところが七味を入れたら、余計にしょっぱさが効いてきた。七味に塩分は入ってないはずなのに、なぜだ?天ぷらはどんどん溶けて、梅雨がドロドロになっている。こんな薄い衣の天ぷらをかけそばに入れたら、こうなるわな。油ギトギトで、もう飲めたものではない。意地でそばだけ食べ終えると、水を飲んで、食器を返した。

私はうどんを食べるべきだったのか?次回の出張では、烏丸に宿を取ろう。

都そば 四条店(食べログ)

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