釧路 いずみや スパカツ

北海道釧路市 いずみや本店 スパカツ

釧路市民のソウルフード

北海道の主要な街にはそれぞれソウルフードがあるように思う。道東であれば帯広の豚丼、根室のエスカロップ、そして釧路のスパカツである。最近は「北見塩やきそば」などもあるようだが食べたことが無い。

今までに釧路を何度か訪れたがスパカツを食べる機会がなかった。そもそもスパカツの存在を最近まで知らなかった。昨日の食事は昼夜も海鮮ばかり。夜には蕎麦まで食べた

今朝は二日酔いで朝飯を食べることができず、復活した今は腹が減ってガッツリと食べたい。

ならばこの機会にスパカツなるものを頂こうではないか。幸い、宿泊したホテルの近くにスパカツ発祥の店があると言う。ホテルに荷物を預けると橋を渡り飲食店街に向かった。

空は晴れ渡りいい天気だ。これが夜には雪が降り始め、明日は豪雪になるとは想像がつかない。雲ひとつないこの空があと十時間もしないうちに本当に雪雲で覆われるのだろうか。

いずみや本店

そんなことを思いながら歩いていると店に着いた。ここか。

外観

ドアを開けて建物の中に入る。メニューがディスプレイされている。なかなかに豊富だ。

ディスプレイ

スパカツ、これか。

スパカツ 料理サンプル

ランチプレート系も気になるが、これは一人で食べられる量なのだろうか。

階段の上に店があるのか。指示されるままに建物の中を捜索する。あった、入り口だ。中で名前を書いて待て指示書が置かれている。混んでいるのだな。中に入るとすんなりと二人席に座ることができた。よかった。

店内

メニュー

せっかくなのでメニューを見てみよう。

パスタとオムライスのメニュー。パスタの最上部がスパカツである。さすがソウルフード。ミラノ風がなぜに醤油味なのか?ミラノはイタリアの都市だ。醤油など料理に使うはずがない。生玉子を食べるはずがない。生食用の玉子が販売されているのは、世界中でも日本だけだ。

もちろん同じくイタリアのナポリでも料理にケチャップを使うはずがない。醤油は日本の調味料、ケチャップはアメリカの調味料だ。

ま、旨ければ名前などどうでもいいのだ。

パスタとオムライスのメニュー

ステーキ及び肉料理のメニューだ。ポークチャップがあるあたりが北海道らしい。

ステーキ及び肉料理メニュー

魚料理及びセットメニューとランチメニューである。

魚料理メニュー

ラストはご飯ものだ。ハヤシカツライスに食欲をそそられる。

ご飯ものメニュー

周囲を見渡すとスパカツを食べている人が少なくないが、ことごとく若い人たちだ。ああ、私にもあんな頃があったなあ。昔に戻りたいとは思わないが、健康など気にせずに飲み食いできた頃が懐かしい。

スパカツ

ジュージューパチパチ。そいつは芳ばしい香りと食欲を刺激するサウンドと共にやってきた。見事にモノトーンである。

豚丼なら赤い紅生姜、エスカロップならば白いキャベツがビジュアル的にアクセントであるが、スパカツは同系色だ。こんがりとしたきつね色のとんかつに、深みのある茶色のミートソース。

スパカツ

通常、パスタとはスルスルとフォークに巻き従うものである。

だが、こいつは違う。

スルスルとフォークでパスタを巻いていると、突然、抵抗を感じる。パスタがピンと張り詰める。まさにマグロ一本釣りで餌を食った直後と同じだ。フォークを巻き取る指に力が入る。パスタの緊張状態はさらに高くなる。これで鉄板からスルリと剥がれてくれれば何の問題もない。

パスタ

しかしテンションに耐えられなくなったパスタが、船底でマグロに切られたテグスの如くパッっと切れたとき、解放された運動エネルギーが牙を向く。赤いミートソースの油滴が容赦なく降りかかってくるのだ。

まさにカレーうどん、まさに麻辣削麺

鉄板の熱で水分を奪われてカリカリなったパスタはまるで焼きそばだ。食べるとパリパリだ。これはいい。

とんかつは肩ロース。それほど厚めではない。ミートソースの水分に負けないよう、しっかりとした衣がカツを包む。メニューにはミートソースの上にカツを載せたと書かれてあったが、このミートソースには大きな玉ねぎが入っている。野菜の甘味と素材の味わい、肉の旨みをしっかりと感じ取れる。ソースと野菜を炒めたものでは無いだろうか?

熱々のパスタは鉄板のおかげでなかなか冷めない。熱量を保持したままだ。窓の外は氷点下、部屋の中でぬくぬくと薄着でハフハフ食べる。まさに内地でいうところの鍋焼きうどん。スパカツが寒さ厳しい釧路のソウルフードというのもうなずける。

トンカツ

ごちそうさま

だが、食べ進めるうちに恐れていた事態が起きてしまった。

モノトーンの外見から想像はついていたが、単調な味わいがくどくなってきたのだ。パスタのポリュームについていけなくなってきたのだ。変味できないかと卓上を探るが、塩とチーズとタバスコのみ。いずれも塩分を含む。これ以上の摂取は控えたい。

ああ、水がうまい。

カツだけを食べてフィニッシュ。ごめんなさい。私ならこの半分に野菜サラダが付いてた方がいい。若い人がガッツリ食べるには問題ないだろう。健康を気にして塩分を控える五十路男性の食べ物ではない。

ああ、再び訪れることがあれば、野菜のついているメニューにしよう。

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