居酒屋 酔匠の里
数ヶ月前のことだ。読売新聞のウェブ版を読んでいるときに、衝撃的な記事を目にした。
「マグロ刺身ラーメン。」
鹿児島県さつま串木野市のご当地グルメとある。
ラーメンに刺身。
世の中にはいろんなラーメンがあるし、私も食べてきた。チーズや焼き魚、とんかつなど、ラーメンとの相性を疑うような一品も食べてきたが、刺身を入れるラーメンは聞いたことがない。
もしも、機会があれば、食べてみたいものだと思っていたところ、まさか、こんなにすぐ実現してしまうとは。
人生とは分からないものだ。
鮨を食べ、居酒屋で酒を飲み、午後11時。居酒屋タイムが終了しないとラーメン店にならないのがこの店だ。深夜まで空いているうまい店はここしかないのだと念を押される。昼間だと別の店が旨いそうだ。
メニュー
お座敷席に通される。さて、なにを食べようか。目的はもちろん、まぐろラーメン。
おすすめはマグロ塩にバターとわさびのトッピングとのことだ。注文は味噌派と塩派とに分かれた。私は塩だ。ついでに餃子も注文する。
餃子
先に出てきたのが餃子。食べてみる。やわい。パリパリ感ゼロ。焼き餃子なのに蒸し餃子みたい。ワンタン麺のような皮である。
まぐろラーメン
ついに念願のラーメンにご対面である。まずはスープを飲む。少し甘め。胃に優しい。縮れ麺がちりめん亭のラーメンを彷彿とさせる。少し粉っぽいようななんというか、スープが絡むための工夫なのだろう。 きくらげの食感が楽しい。ワカメの香りが鼻をくすぐる。
刺身はスープの熱で火が通って、まるでチャーシューのよう。鳥肉ではない。魚の雰囲気は一切ない。臭みもない。マグロ漬けとのことだ。
半分食べたところで、バターとワサビを溶かす。うーん、まるでポテトチップスみたいな味になる。
すべて食べ終えたら、どんぶりの中の汁を飲み干す。消えたと思っていたわさびの香りが復活する。蕎麦湯を飲んだ時のような感覚に襲われる。完食だ。
美味かった。
そうそう、この店で飲んだのは「薩州魂サワー」市内の醸造メーカーが製造するジャパニーズスピリッツである「薩州魂」を使ったサワーとのことだ。味は覚えていない…いつものことだ。また、訪れることもあるだろう。次回は味噌か豚骨にチャレンジだ。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)