真子餃子

郡山駅 真子(まこ)餃子 干豆腐サラダとにら玉餃子

郡山の締めは何だ?

知人とスナックで飲んだ。連れていかれたのは中国人のスタッフの店であった。二人でゆっくりと話をするには、日本人の店ではだめなのだと知人が言う。

理由は二つ。

今晩はあちこちで新年会があり、日本人の店に行けば、必ず大勢の知人らと出くわすこと間違いなく、ただの飲み会になってしまう。もう一つは、彼の知人らが絶対に来ない店はここしか知らないとのことだ。

この地で運送会社を営む知人は、地元では一切酒を飲まないという。知らなかった一面だ。私の中では酒を飲むとやたらだらしなくなるイメージしかなかったのだが、自分で決めたルールを徹底する、経営者たる厳しい一面を見ることができ、急に頼もしく思えてきた。

ただ、私は飲んでいる。まじめな話もきちんとしたが、ここは中国人のスナックだ。中国語のカラオケを歌っても、しらけることも、文句を言われることもない。久しぶりに思い存分歌い、中国語で会話をした。飲んだ後は知人が車でホテルまで送ってくれた。

真子餃子

知人の車を見送ったはいいが、正直に言おう、空腹だ。腹が減った。先ほどまで中国スナックにいたせいなのか、本場の中国料理が食べたくなった。ホテルから駅に向かって、ふらふらと歩いてみる。

餃子…しかも、水餃子があるではないか。寒いし、ここで食べるとしようか。店に入る。すでに0時を過ぎているからだろうか。店内に客は誰もいなかった。

さて、何を食べようか。水餃子はもちろん食べる。焼き餃子ではない。本場の餃子は水餃子なのだ。日本ではスープ餃子になってしまうが、違うのだ。お湯でゆでた餃子である。これをゆで汁と飲みながら、ニンニク丸ごと醤油漬けをかじりながら、黒酢に餃子をつけるのが、本場の食べ方だ。慣れ親しんだ食べ方だ。

謎の料理が並ぶメニュー

もう一品、食べたいな。うん?ジューアドサラダ?なんだろう。ググってみる。検索結果にこの店しか出てこない。ということは、一般的ではないというよりも、なにかの間違いだな。豚耳サラダは中国では一般的だ。「猪耳沙拉」(じゅーあるしゃーらー)である。ジューアドとは何ぞや?「ル」と「ド」を読み間違えたのか?それとも「猪耳的沙拉」(ジューアールダシャーラー)でジューアドなのだろうか。

謎だが、店員に尋ねるのも気が引ける。他にも黒白菜、春餅巻、三絲一豆、老虎菜など、珍訳なのか翻訳を放棄したのか、分からないメニューが並ぶ。

ちなみに黒白菜はターサイのことだろう。中国野菜である。これを炒めたものと思われる。

春餅巻は春巻のことだろう。春巻きの皮や北京ダックを包む皮を中国語では「春餅(ちゅんびん)」と呼ぶ。これで巻いたものだから春巻なのだ。

三絲一豆は「三種類の細いものと一種類の豆」という意味だ。玉ねぎスライス、もやし、ジャガイモ千切りと生の落花生を炒めたものである。

老虎菜は別名「凉拌香菜小黄瓜辣椒葱」。パクチーと青唐辛子、キュウリとネギをゴマ油と塩で和えた、中国の古典的冷菜のことである。現在では好みの野菜としてピーマンを入れることもあるとか。

でも、大好きな干豆腐サラダを食べることにする。日本ではなかなか出会う機会がないのだ。

いざ、実食

干豆腐サラダ、見た目は美味しそうだ。食べてみる。これは、爽やか、冷し中華のよう味付けだ。これはありだな。本来はゴマ油と塩だけで味付けをするものだ。中国人は拒絶するかも知れぬが、日本人には親しんだ味である。

カウンターには中国酒のボトルが並んでいる。いずれも白酒(バイジュー)、いずれも度数が高い。二鍋頭酒、老龍口、紅高粱酒に老窖特曲。若い頃は呑んでいたが、今は無理だ。あの独特の匂いだけで胸がいっぱいになる。こいつを呑んで、幾度となく吐いたなあ。

続いて水餃子。具は何だろうか。豚肉が一般的なのは日本と同じである。黒酢につけて食べる。

うん?

肉の味がしない。いや、なんだか久しぶりに味わうこの餃子はもしや?半分かじって中を確かめる。

おお!ニラ玉だ。久しぶりに食べた。北京ではメジャーな餃子なのだ。こいつがまた美味いのだよ。こんなところで出会えるとは、なんとも嬉しい。

うん、腹も落ち着いた。ホテルに戻るとしよう。

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