鳥もも焼き

刈谷駅 日南屋(ひなや) ツボだし野菜と宮崎地鶏

店はどこだ?

愛知県刈谷市を訪れた。この地を訪れるのは三度目だ。滞在しているホテルから、徒歩三分の店が本日の夕食会場である。宮崎地鶏の店 日南屋。にちなんや、と読むのだろうか。待ち合わせの時間は7時であったが、ランチで食べたロールキャベツが物足りなかったのか、腹が減って仕方がない。久しぶりに顔を合わせる、10歳上の先輩に電話をすると、同様に早く食べようと意見が一致したので、さっそく店に向かうことにした。

駅前にそびえ立つのは名鉄イン。再開発ラッシュのこの地は、地価が激しく上昇し、坪二百万円でも買えないという。那覇市内と変わらぬ価格である。

地元民からメッセンジャーで送られてきた、ネット上のリンクに表示された住所に向かった。そこに日南屋なる店はなかった。手羽先番長ならばある。むしろ隣の餃子屋の方が気になる。そもそも、なぜこの三河の地で宮崎地鶏を食わねばならぬのか、イマイチ納得がいかない。

いずれにしろ、指定された店は無い。周辺を索敵したが、見つけたのは私と同様、店が見つからずに途方に暮れていた先輩らであった。合流し合同で店を捜索する。Google マップでは、こことは別の場所に表示されていた。地元民は店が移転したので注意とのことであったが、移転先はここでは無いのか。電話してみると、私たちがウロウロしているのは移転前の住所らしい。数分ほどして地元民が送迎に来た。そこから怪しい店名とネオンが並ぶ風俗街を抜けて、目的地へと歩く。

ここだ。「ひなや」と読むのか。

日南屋(ひなや)

店内に通される。細長い通路を進んでいく。

視界が開けるとカウンター席があった。内側が厨房になっている。

さらに進むと上下にフロアが分かれていた。階段を上りるとテーブル席がある。団体用の個室もあり、入口からは想像できない広さだ。

厨房の壁には本日のおすすめの掲示されてきた。

コースも何も予約していないとのことで、飲み放題もせずにアラカルトで行くことになった。おすすめメニューはこれか。

充実のメニューを皆で眺める。さて、何を食べようか。すぐに出るのとサラダはこれだ。

日南屋と名乗るからには宮崎地鶏は外せないだろう。

ツボだし野菜

お通しはかぼちゃの揚げだし。もっちりねっとり熱々で甘い。

当店名物「ツボだし野菜」、豪快にカットされた、通常の野菜スティックと比べると倍はある野菜がツボに突っ込まれている。付け合わせはマヨネーズ。セロリの葉っぱが見た目に美しいだけでなく、あまりの瑞々しさに、私が食べてしまった。新鮮なセロリは葉っぱも美味いのだ。苦味はなく、鮮烈な香りが口の中に広がる。マイルドなマヨネーズがセロリの魅力を引き出していく。

密度が詰まった大根は食感がまろやかで、パサパサしていない。軽く湯がいているのだろうか。生の感じがしない。にんじんも同様だ。特筆すべきはゴボウである。さすがに生ではないが、出汁でゆでたのか、単に湯がいただけなのか、柔らかく甘い。これがゴボウなのかと驚かされる。

ここ数年、全国各地でゴボウの新しい調理法を見かける機会が増えた気がする。第二次世界大戦中に、オーストラリア軍の捕虜に日本人が食べさせたところ、戦後に「木の根を食べさせられた。」と訴えられ、処刑された日本兵がいたと聞く。それだけ欧米では一般的ではない、日本独自の野菜なのだ。かつてはきんぴらくらいしか料理法がなかったが、今は多様化しているのだ。

だが、この野菜スティックは斬新だ。自宅でも試してみよう。妻が喜ぶに違いない。

宮崎地鶏

これ以降の料理は食べたり食べなかったり。久しぶりに会う大勢の仲間たちと盛り上がっていたので、味わって食べる余裕もなく、食べた記憶も記録もない。自家製白菜漬け。

無限ピーマン。最近はサラダタイプの生で食べられるピーマンが増えた気がする。個人的には生ピーマンは好きである。塩昆布よりもマヨネーズで食べたかった。

宮崎赤鶏炭火のたたき。

宮崎赤鶏炭火のタタキのおろしポン酢。

宮崎赤鶏のももの炭火焼き。宮崎名物だが、知名度はいまいちな気がする。また、この料理は美味しい不味いが店によってはっきりする。

秋サンマの天ぷら。カラッと揚がって美味かった。

チキン南蛮。宮崎と言えばこいつである。

この店を予約した地元民に、なぜ刈谷で宮崎料理なのか、全員が尋ねた。

「刈谷でね、大人数で入れて気が利く店って、なかなかないのよ。」

確かに、これだけの箱なのに、今日はかなり混雑している。大半が見知った顔と言うのもどうかと思ったが、それだけ安心して団体で利用できる店なのだろう。料理もそこそこ美味かったし、腹もいっぱいだ。シャンパンが三本空いてるな。どうりで酔うわけだ。

では、二次会に行きますか。

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