玉ひも

兵庫県加古川市 加古川駅 鳥幸

本日の夕食

昼に何を食べようか楽しみにしていたのだが、社長が急ぎ打ち合わせをしたいと言うので、慌てて会社に向かう。ランチは社長のおごりで出前の釜飯であった。打ち合わせを終えると新幹線で西明石へ行き、新快速に乗り換えて加古川へ。考えてみたら姫路まで行って新快速に乗り換えた方が早かった。

夕方からの会議に参加し、終わればようやく懇親会。本日の会場は焼き鳥だと言う。昨晩も食べたよ。まあ、いいか。昨晩は食べたうちに入らない。折り合えずビールなのだ。

メニュー

お通しは、少し硬めのしらすに甘い大根おろし。少々の醤油をたらしていただく。なんだかヘルシーでいい。焼き鳥に大根おろしはつきものなのだ。鉄板なのだ。

メニューはシンプルだ。コースではないので、好きなものを頼めとのことだ。焼き鳥は任せるとして、野菜が食べたい。トマトにもろきゅう、刻みトロロを食べることにしよう。

「み」と「かわ」

まずは「み」。鶏肉だ。柔らかい。ジューシーな肉からあふれ出す肉汁。鶏肉の旨味が口の中に広がる。

続いて「かわ」。かりふわである。絶妙な焼き加減である。焼き鳥屋の良し悪しは皮塩を食べれば分かると言うのが私の持論だ。ここは美味い。昨晩食べた宮川も美味いのだが、串に刺さっている肉がでかい。大きすぎる。この店はちょうどいい。食べやすい。付け合わせがゆでキャベツなのも私には新鮮だ。この辺りでは一般的なのだろうか。

トマトとキュウリと山芋

真っ赤に熟したトマトはフルーティーで甘い。冷たくて気持ちいい。久しぶりに生野菜を食べた気がする。

これまた原色、鮮やかな緑色したもろきゅう。シャクシャクとみずみずしい。甘めのモロ味噌をつけると味わいが広がり、ビールが進む。

刻みトロロ。いわゆる山芋短冊切り、いや、極太切りであろうか。軽く醤油をかけ、黄身と一緒に混ぜ合わせて口に入れる。シャクシャクとした食感。山芋の風味に醤油の香り、黄身の甘味が三位一体となる。ああ、酒が進む。ご飯でも絶対に美味いだろう。

ずりとせせり

続いては砂ずり、砂肝だ。これだけは焼き鳥で食べるのは好きではない。硬くてパサパサになるからだ。遠慮しておこう。

せせり。柔らかくて美味。よくダシの出る部位なので、肉の味が濃いのだ。

珍味 玉ひも

玉ひも。鳥の卵巣と卵管である。まずは大きいのをいただく。弾力のある黄身のような卵巣を奥歯で噛みしめる。プチンと割れる。おお、まさにプチトマト!破裂するかのように破れた黄身から甘味があふれ出す。新感覚の食感だ。

「いや、こっちを食べてくださいよ。」

地元民が言う。大きいほうではなくて、小さいのが連なった、見た目が少しグロいほうか。一部の同席者は食べるのを拒否していた。せっかくなので、口に入れてみる。ほう、意外にも歯ごたえがある。シャクシャクしている。味も悪くない。これはなかなか食べる機会がないな。

ミンチとねぎみ、ししとう

ミンチ。つくねのことだ。タレは辛口。玉(卵巣)を合わせて食べる。濃縮された黄身の甘味とキレのあるタレ、鳥の旨味がぎゅっと詰まった鳥ミンチ。不味いわけがない。いつも食べているつくねとはまったく違う。これまた印象深い味わいだ。

ねぎみタレ。関東では「ねぎま」と呼ぶが、これはもともともネギとマグロの身を串で焼いていたためだと聞いたことがある。だから「ねぎみ」が正しいのだろう。ネギの甘味とさっぱりとした肉のコントラストがいい。

ししとうはでかい。肉厚があるのに柔らかくてジューシー、味が濃い。鰹節との相性もバッチリなのだ。

とにかくこの店の鶏肉はいずれもが柔らかい。七味も山椒が効いていて、香りが強い。私好みの味である。

締めは釜めし

年季の入った建物なのに、トイレだけは白基調の現代的なデザインである。もちろん温水洗浄便座だ。ジャズのBGMまで流れているのに驚く。すごい。

締めの釜飯。焦げが香ばしい。鳥のだしがよく聞いている。口の中から鼻に抜ける甘い香り。これに出汁をかけたら、さらに美味いだろうに。

ああ、焼き鳥はいいなあ。単純なのに、なかなか奥深い料理でもある。素材、味付け、焼き具合、シンプルなだけに、手を抜けばすぐにバレてしまうからだ。だからこそ、美味い焼き鳥と出会えると幸せな気分になれると言うものだ。

では、二軒目に行きますか。

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