刺身盛合せ

鹿児島県出水市 居酒屋どら カンパチのハラミ

居酒屋 どら

鹿児島空港から出水駅を目指して闇の中をバスはひたすら走る。昼間も走ったことがあるから分かる。ガチで山道だ。たまに集落を通るが、抜けてしまえば灯りひとつ無い道だ。そうしてバスは出水駅前に到着した。ホテルは駅前ではなく、これまた郊外にあるので、タクシーでさらに10分。着いたのは21時前だ。

荷物を部屋に置くと、飯を食いに行く。ホテルの周囲には何もなかった。翌日分かったが、田んぼばかりだ。結局、繁華街までタクシーで行くしかない。街中で適当に降ろしてもらうと、出水商工会議所青年部ののぼりを見つけた。臨時のナイトインフォーメーションだ。一人で静かに飲める居酒屋をリクエストしたところ、すぐ近くの店を案内してくれた。

扉を開けると客はいなかった。カウンターに座り、生ビールを注文する。

メニュー

さあ、何を食べようか。オススメを店主に尋ねると、豚足と言われたが、それは沖縄でも食べれるので辞退する。太刀魚の塩焼きをすすめられたので、それは食べてみたいとオーダーした。

メニューにちゃんぽんがある。やはりよく食べるのだろうか。トマトスライスと刺盛りをオーダーする。

トマトはジューシー。スライスじゃなくてサラダ。オニオンスライスもうまい。パセリも新鮮。みずみずしい。

海の幸を味わう

刺し盛りは見た目に美しい。カンパチのはらみというか縁側?コリコリして甘くてうまい。魚を食べてるとは思えない。豚トロのような固さだ。初めて食べた。鯖は少し締めすぎだ。好みではないが脂の甘みは十分だ。タコは出水の名産だ。歯ごたえも旨味も十分。たこ焼きのとはちがうなぁ。

中央右の白い刺身が、カンパチのハラミ。コリコリして歯ごたえがある。

鰹のタタキは不思議な味だ。ごく表面だけをあぶってある。脂のノリは控えめでさっぱり。カツオ独特の臭みがない。カツオではないのだろうか。店主に確認すると宗田鰹とのことだ。鰹節に使いますよねと聞くと、使わないという。鰹節にするのは歯鰹(はがつお)等とのことだ。

調べてみると、宗田鰹で作ったものは宗田節と言い、鰹節とは別物だ。奥深い。さらに蕎麦屋はかえしを作るのに宗田節が不可欠で、もりとかけで鰹節と宗田節を使い分けたりするんだそうだ。もりかけって、不毛な話の方ではないので念のため。そこまでこだわる蕎麦屋の想いを素人の私は、どうすれば味の違いを分かるようになれるのか。うーん。とりあえず「そばもん」を全巻読むしかないかな。

マグロはごく普通だ。

何を食べても何気に美味い

ここでビールからハイボールにスイッチ。みょうがスライスは鰹節とポン酢がけをリクエストした。これまたみずみずしい。シャキシャキして香ばしい。ミョウガはこうじゃなきゃね。

トイレは和式。店内のBGMは2億4千万の瞳、魅せられて、愛のメモリー、マドンナたちのララバイ、ギャランドゥ、飛んでイスタンブール、雪国。昭和歌謡のオンパレードだ。

太刀魚の塩焼きは旨味がぎゅっと濃縮されている。シークワーサーをかけて、醤油をちょこっとかけた大根おろしで食べるとなんとも言えない旨さだ。太刀魚の塩焼きは初めて食べたがこんなにうまいものだったか。身が脆いので焼くのが難しそうだ。ワタも付いている。こちらでは食べるそうなのでいただくと、苦味もなく、臭みもなく、味もない。食感はシマチョウのようだ。

とりあえず満足だ。さあ、明日も早い。移動で疲れたので、飲み屋街で誰かに捕まる前にホテルに戻って休むことにしよう。ハイボールの残りを流し込んで店を出た。

居酒屋どら(Hot Pepper)

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