青木の坂 朝食

静岡県伊豆 やすらぎの温泉宿 青木の坂【朝食編】

温泉の旅

家族で食事付きの旅館に来ると必ず感じることがある。なにもしなくても食事が出てくることのありがたさ。作る必要も何を作るか考える必要もない。そして食後に片づける必要もない。ないないづくしだ。自宅ならば、何を食べるのか考えなければならない。けいたまにどうやって野菜を食べさせようか、妻はどうしたらおなか一杯食べられるだろうか。私が作らなくても、片付けはしなければならない。一緒に家事をしたほうが早く終わるので、家族の時間を作ることができるからだ。妻が何もしないわけではない。協力し合ってるだけだ。だが、旅館なら、自分たちが家事をする必要がないので、完全にフリーだ。このありがたみ、至上のごとくである。

もうひとつ嬉しいのが、温泉と言えば和室。そう、寝るのは布団だ。世の中のホテルはほぼベッドだというのに、旅館は布団が主流だ。そして、私は布団派だ。出張で泊まるホテルが和室であることはめったにない。年に数回だ。しかし、旅館なら間違いなく布団だ。沖縄には和室の旅館がないのだが。その上、温泉だから風呂をためる必要も沸かす必要もない。湯船も大きい。手足を伸ばして、のんびりと漬かることができる。露天風呂など最高だ。中国人の元嫁は、付き合った頃から露天風呂が好きだと話していた。屋内の風呂場だと蒸気で息苦しくなると言う。

確かに中国は大半が大陸性の気候で、空気が乾燥している。湿気には慣れていないかもしれない。昔は風呂につかる習慣もないし、サウナだって見たことがないと話していた。元妻とどこかに泊まったとき、彼女は興味津々でサウナに入った。数分後、出てきた彼女は興奮して言った。

「すごい!こんなに汗をかいたのは生れて初めて!」

元妻は中学、高校と陸上で中距離走の選手をしていて、日本でいうところのインターハイにも出場経験があると言っていたので、それなりのトレーニングをしていたはずなのに、汗をかいた経験があまりないという。それは結婚後も何度も実感した。

汗をかかないというより、新陳代謝が日本人より悪いみたいだ。垢の量も日本人の方が多い。だから、日本人は数日風呂に入らないだけで臭くなるが、中国人はそんなことがなかった。まあ、身近な数例だけの感覚的なものなので、医学的根拠もなく、本当のところはわからない。

いずれにせよ、日本人でも外国人でも温泉旅館の人気が高いことは間違いない。

青木の坂で朝食

朝、目覚めると外はいい天気だ。沖縄の冬は曇りの日がやたらと多いのだが、関東地方の冬の天気は晴れの日が多い。美しい空を眺めることのできる日も少なくない。この日も、朝に外に出てみると、見事な青空が広がっていた。ループ橋の緑が映える。河津七滝ループ橋。これほど間近で見たのは初めてだ。

旅館の近くに、実がついたままの柿の木を見つけた。もう冬だ。実はしわしわでほおずきのようになっている。鳥も食べていないということは渋柿なのだろうか。

部屋に戻ると朝食の時間だ。伊豆と言えば、やはりアジの干物。鉄板なのだ。おかずの量もちょうどいいくらい。優しい味の味噌汁とおいしいご飯に、海の幸を中心としたおかず。どれも美味しい。デザートは柿だ。けいたまは1歳半頃から朝ごはんをあまり食べない。アジの干物とご飯を少し食べると、ミルクが欲しいというので、作って与える。

食事を終えると、つまはけいたまと外の露天風呂に行くと言い出した。昨晩は貸し切りのために使えなかったが、朝は使っていいと宿から説明があったのだ。大きな露天風呂もついていて、気持ちよかったと妻が言う。

この宿も旅館の方の対応もよく、気持ちよく泊まることができた。食事もよかった。家族連れにもいろんな気遣いをしていただけた。今度は寒くないときに、また泊まりに来たいと思うのだった。

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