丸篭なごみ御膳

山口県防府市 おもてなしの味 浜 丸篭なごみ御膳

おもてなしの味 浜

今年度最後の会議を終えると、夕方からの納会までやることがない。せっかくだから防府の食を楽しもうではないか。私と同じような立場の忍野さんと戸山さんの三人で食事に行くことにした。戸山さんは大阪から車で来ていたので、便乗させてもらうことにしたのだが、忍野さんが見当たらない。忍野さんとLINE電話で協議した結果、途中で拾うことにした。

鈴木は牛骨ラーメンを食べてるようだ。私の情報を使ったな。吉良も一緒なのだろう。しかし、私はラーメンではなく、防府の正当な真っ当な和食を食べたいのだ。店は調べた。歩いて行けなくもないが、早く食べたい。予約してないが、なんとかなるだろう。

店に着いた。私好みの店構えだ。駐車場も一台空いていたので、戸山さんがすぐに入れに行った。私たちの後に来た客は、駐車場が満車のため、第二駐車場の場所を店員に尋ねていた。先に降りた私と忍野さんは店に入る。

「ご予約ですか?」

してねーよ、ふざけんな。ではなく、してません。

「カウンター席なら空いてますが…」

食えればどこでもええがな、はよ案内せんか、ボケ。ではなく、はい、カウンターでいいです。空腹のせいか、気持ちがささくれだっている。我が家は皆、空腹になるとすこぶる機嫌が悪くなる。娘ですら生まれた時からそうだ。空腹時の泣き方だけが激しいので、分かりやすい。

メニュー

さて、何を食べようか。メニューを見る。得々ランチが良さそうと戸山さんが言う。カウンターの中の職人に尋ねると、ぶっきらぼうに「おわりました。」と告げられる。二人は日替わりに、私は丸篭なごみ御膳を注文した。

人気店なのだろう。店内は午後一時過ぎだと言うのに混雑していた。トイレに行く。洗浄便座でもウオームレットでもない。店構えとトイレ設備が一致しないのは残念だ。私は座ってする派なので、小さかろうが大きかろうが常に座るのだ。立ってすると飛沫が飛び散って不衛生だ。北斗の拳でも名言があるではないか。

「汚物は消毒だ。」

同名の漫画もあるが、一話目がトイレ掃除なので、読んでいてちょっと引いた。二話目以降、読んでいない。

丸篭なごみ御膳

私の前に料理が置かれた。あれ?なんか違う。そもそも私の料理はかごに入ってるはずなのだが。あ、間違えました?別テーブルの料理だったようだ。手をつけなくてよかった。間違いなく自分の料理であることを確認してから手をつけようと、三人で確認し合う。

先に二人の日替わりがはこばれてきた。なかなか美味そうだ。ビールが飲みたくなるが、戸山さんが運転手なので遠慮した。なんせ戸山さんも酒豪なのだ。そして彼女の口癖も素晴らしい。

「ダイエットは明日から。」

一年間、このセリフからまったくブレずにいたのだから、すごいとしか言いようがない。

私の料理が運ばれてきた。篭だ。カゴの外にご飯とうどんだ。このうどん、想定外だ。つゆはとても出汁が効いてる。ワカメがたっぷり。ツルツルの手延べうどんとマッチしている。美味いのだ。この店はうどん屋ではなかったはずだ。

鯛とカンパチの刺身が意外に美味い。なぜ「意外」なのか。この二つは刺身の定番だが、定食だと美味いことがまずない。仕方なく食べることが多いのだ。それが口にしてみたら美味い。いい意味での裏切り、意表を突かれたとでも言おうか。嬉しくなる。

煮物は味付けが濃いめだ。切干しだいこんは薄めの味。高野豆腐の味付けはその中間。わざとなのだろうか。

カゴの中の「福」の文字が入った器には塩が入っている。天ぷら用だ。カラッと揚がっていて、普通に美味い。

最後はデザートだ。見た目は綺麗だが、私はチョコ菓子が食べれない。コーヒーも飲まないので、生クリームとブドウだけいただいてフィニッシュなのだ。

ああ、満足。千円の弁当なんかより、店で食べた方が絶対にいい。温かいものを温かく、冷たいものを冷たく食べられるのは、店で食べるからこそなのだ。さて、ホテルに戻って少し休むとしよう。

ビール飲みたかった。

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