沖縄から北海道経由 埼玉へ
暖かい沖縄から、会議のために北海道へ。昨年に続き、今年も札幌は12月から大雪に見舞われた。空港も真っ白だ。ついに北海道が本格的な冬を迎えた。京都生まれ、埼玉育ち、ニセ沖縄人でなんちゃって道民の私も、北海道担当になってから4回目の冬だ。
四年前は雪道をおっかなビックリ歩いていたが、今では割と普通に歩けるようになった。それでも酔っていたら転ぶのだが、これは地元民でも同じだ。雪道は滑るのだから、転ぶことを前提にしなければならないのだ。
札幌駅から乗ったタクシーの運転手によると、昨年の教訓から今年は早い段階で除雪の準備をしていたものの、やはりシーズン初めの大雪のせいか、路肩に雪が集められたままで、仕事が雑だとのことだ。
「除雪技術世界一が泣くよ。」
運転者がボソッと言った。
昼からの長い会議の後、地元経済を考えるシンポジウムに参加した。講演はとても興味深いものだった。日本各地で街の再開発の切り札とされている「コンパクトシティ」が北海道では通用しないこと。そして「スマート化」とは「見える化」に他ならないこと。
忘年会では講演内容のクイズが10問出題され、たまたま私は全問正解した。景品に商品券を頂いた。母への土産にしよう。
翌日は快晴だ。羽田に向かう飛行機の窓から、美しい富士山が遠くに見えた。
立ち食いそば つきじ亭
さて、今は午前11時半。朝霞台行きのバスは12時15分。機内で軽食を食べたが、小腹が空いている。バスで食事はできない。何か軽く腹に入れたほうがいいな。
さて、何を食べようか。
てんやはヘビーだ。丸亀製麺もなぁ…パス。店が狭くて嫌だ。うーん、やはり、立ち食い蕎麦しかないかな。消去法でつきじ亭に決まりだ。
メニュー
食券を買う前にメニューを決めなければ。冷たい蕎麦がいい。天ぷらも食べたい。消去法で冷やし海老天ぶっかけ蕎麦だ。
なんだか消去法ばかりなのもアレなのだが、とにかく食券を買う。この店は客が買った食券情報が厨房に自動伝達されるので、カウンターで食券を渡す必要が無い。食券の番号を呼ばれるまで、待てばよいのだ。
冷やし海老天ぶっかけ蕎麦
私の蕎麦がデシャップにセットされ、番号が呼ばれた。カウンター席に運び、蕎麦つゆにワサビを溶かそうとして、ワサビがないことに気づいた。テーブルの上にもワサビが無い。
なんてこった?!
この店は信州スタイルなのか?確かに長野地方ではワサビを使わず、せいろの蕎麦に直接七味をかけて食べるのが一般的だ。しかし、ぶっかけ蕎麦の上のエビ天と水菜に七味をかけるなど、アバンギャルド過ぎやしないか?まあいい、このまま食おうじゃないか。
蕎麦をすする。喉越しはいいのだが、少しもそもそしている。続いて海老天を何もつけずにかじる。しょっぱい。水菜はしゃきしゃきしすぎて食べづらい。ここはカイワレにするべきではないだろうか。
やはりワサビは置いてないのか。店内を見回すと、とろろ蕎麦を運んでいる客がいた。ワサビが載っている。
なぜだ?!
店内の客は、皆、静かに黙々と蕎麦を食べている。厨房から若い女性の店員の声が響き渡る。
「すーうぇい、りゅーうぇい、りゃんりゃん。」
おそらく、中国語で四位、六位、両々だろう。訳すと4名、6名、2つだ。実は日本の飲食業界では、たびたび2つを「りゃん」と呼んだりする。「お茶、りゃんこ(二個)ねー!」麻雀から来てるのだろう。なんだか楽しそうだが、私はわさびが無くて、しょっぱくて、ちっとも面白くない。これで950円かよっ!
食べ終えて店を出る。改めて看板を見る。せいろそば、冷やしキツネと冷やしとろろにはワサビが付いている。天ぷら付きの冷やし蕎麦にはワサビが無い。これがお前のやり方なのか、流儀なんだな。覚えておくよ。
次回からは冷たいそばはやめておこう。そもそも、立ち食いそばで冷たいそばを食った私が悪いのだ。時代が変わろうと、立ち食いそばの鉄板は、かき揚げ蕎麦、玉子入りなのだと、改めて認識したのだった。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)