花巻空港ランチ
久慈で新年会を済ませた翌日、花巻空港から伊丹空港経由で沖縄に戻る。久慈から空港まではバスで行く予定でいたが、たまたま空港に向かう知人がレンタカーを借りていたので、同乗させてもらうことにした。
久慈から山道を走り、九戸(くのへ)インターから東北自動車道に入る。1月の北東北はまだまだ真冬だ。吹雪の中、高速道路をひたすら走る。
安比(あっぴ)高原のあたりは樹氷のような風景が続いていた。
レストラン安比高原
盛岡インターチェンジで高速を降り、イオンモールによる。沖縄へのお土産を買うと、花巻空港に向かった。知人らの便は午後出発なのでまだまだ時間がある。私は昼前の便だ。
礼を告げて知人らと別れると、チェックインカウンターに荷物を預けた。少し早いがランチにしよう。伊丹空港で食べると少し遅い時間になる上に、乗り換え時間が短いので食事を逃す可能性がある。
貴重な一食だ。
小さな空港ながらもレストランがある。先ほど樹氷を見た、安比高原の名を冠した店だ。
店頭のメニューを眺める。岩手も牛肉の肥育が盛んな場所だ。なんといっても小岩井農場がある。ステーキにカレーにハンバーグ…あれ?ハンバーグは豚肉だ。安比高原のプライムポークか。
そして盛岡といえば冷麺。さすがにじゃじゃ麺はないな。
ん?安比蕎麦?
八幡平市で採れた蕎麦を使用した自家製麺。蕎麦じょーぐーの私としては食べないわけにはいかない。うむ、そばじょーぐーは「沖縄そばにうるさい(=そば好き)」という意味なので、蕎麦には使わないか。
まあいい。
とにかく、食わせてもらおうか、安比高原の蕎麦とやらを。
店内に入るとカウンター席に案内された。窓からの景色はわりと殺風景だ。お冷やはレモン水である。
南部板そば
板蕎麦が運ばれてきた。東北地方では漆塗りのせいろではなく、木の板に載せられた蕎麦を出すスタイルが一般的な気がする。
山形でも板蕎麦であった。
新潟では板を「へぎ」と呼ぶ。なので板蕎麦は「へぎそば」となる。
早速、薬味をそばつゆに投入し、蕎麦を食べる。麺がとても冷たい。気持ちいい。喉越しもよく、コシもある。
ただ、香りが弱い。水っぽい感じがする。
蕎麦に少量のつゆつけて食べる。普通に箸でそばをつまめばしっかりと噛まなければ食べられないが、少量なら丸飲みだ。
やはり喉越しが気持ち良い。
それに高血圧で減塩主義の私には塩分にも要注意なのだ。もり蕎麦の蕎麦つゆ(90ml)に含まれる塩分量は3グラム弱。大さじ一杯15mlのみを消費すれば、6分の1なので塩分は0.5gである。これならば恐るるに足らぬ量である。
食べているうちに思った。結構ボリュームもある。見た目より確実に量が多い。たかがもり蕎麦一枚と、少々なめていたようだ。
とにかく食べ切った。お猪口を別に持ってきてもらう。蕎麦湯だけを飲むためだ。そばつゆは入れずに、蕎麦湯だけを味わうのだ。
うーん、香りが弱いな。これが安比蕎麦自家製麺の実力なのか。物足りない。
ご馳走様
ランチを済ませて搭乗ゲートへ向かう。伊丹行の便は定刻に離陸し、大阪へと飛び立った。途中、窓から富士山が見えた。羽田からだと海の向こうに見える山が、今は山間の向こうに見える。山梨川の風景だ。静岡県民が「裏富士」と呼ぶ景色である。
三時間後には沖縄だ。早く家に帰りたい。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)