桜都 油淋鶏

浜松町駅 中華料理 桜都 千円三点セットと油淋鶏

中華料理 桜都

金杉橋を渡ったところに中華料理店がある。以前から気になっていたが、入ったことはない。入口には「手作餃子名店 全日本中華料理研究会認定」の看板が掲げられている。なんだかすごそうだぞ。よし、今夜の夕餉はここにしよう。

メニュー

店外には小皿料理のメニューが案内されている。いわゆるハーフサイズだな。これはいい。

千円三点セットもある。なかなかリーズナブルだ。

ドアを開けて店内に入る。店の中程にあるテーブルに案内された。棚には数多くの酒瓶が並ぶ。紹興酒をはじめ、白酒(バイジュー)の銘品、焼酎、マッコリ、ウイスキーに日本酒。なんでもありそうだ。「手作り焼き餃子、皮もちもち水餃子」の強烈なアピールに期待が膨らむ。もちろん、千円三点セットだ。

ビールを飲みながら料理を待つ。手持ち無沙汰に、表の看板を調べてみる。

ん?
おかしい。

「全日本中華料理研究会」をググっても、この店しか検索結果が表示されないのだ。いまどきネットで探せない団体や組織があるだろうか。架空の団体から認定されたなどと掲示するだろうか。それとも店主が騙されているのか…

分からない。おそらく食べれば理解できるはずだ。

千円三点セット

まずは「乾し豆腐線の冷菜」。この日本語が理解できる人は中国料理通といっても過言ではない。中国語では干豆腐絲冷菜。直訳である。一般的には凉拌干豆腐丝と呼ぶ。私の大好物である。中国ではごくごく一般的な料理であるが、こいつがうまい店は日本では少ない。

さあ、この店はどうだ。

見た目は素晴らしい。薄黄色の細い干し豆腐の上にトッピングされた緑と赤の原色野菜。人参ときゅうりは緑黄色野菜。

大陸で食べたものと変わらない。ああ、これは美味いに違いない。

麺を食べるかのように箸で干豆腐をつまみ上げ口に運ぶ。

ん?

見た目は美しく細く薄く、食感も素晴らしいののだが、しょっぱい。干し豆腐の風味も野菜の味も、すべてが塩にかき消されてしまっている。

なんてこった!見た目はこんなに素晴らしいのに、塩っぱくて食えない。残念としかいいようがない。

続いては豚肉の白菜炒め。料理名とは違い、玉ねぎにタケノコ、ニンニクも入っているが見た目には白菜が主役だ。

食べてみよう。

肉は柔らかく、白菜の火の通り具合も問題ないが、素材がまとまっていない。味がバラバラだ。白菜抜きだとちょうどいいだろう。なんと皮肉な料理なのだ。脇役がなければ済んだ話ではないだろうか。

日曜日はこの辺りで開いている店が本当に少ない。すぐそばのタワーマンションの住人らが食べに来るようだ。

一品料理

三点セットが終了したので、ハイボールを飲みながら気を取り直しつつ、油淋鷄(ようりんじー)をオーダーする。しばらくして私の眼前の置かれた料理は…

これはチキン南蛮ではなかとですか?

タレを舐める。甘酢である。マヨネーズに鳥唐揚げ。私の知る油淋鷄とはだいぶ異なる。そもそも中華料理で唐揚げにマヨネーズは駄目だろう。クックパッドでも見たほうがいい。肉は柔らかいが衣が厚くて硬い。食べにくい上にしょっぱい。野菜の量に比してマヨネーズが多すぎる。素材の味がまったくしない。肉もしょっぱくて食べきれない。もったいない。

ならば餃子だ。この店一押しの料理だ。表の看板に一抹の不安があるが、焼き餃子を持ってこい!

餃子は皮が少し厚めだ。水餃子用だろうか。食べてみる。ジューシーなのだがしょっぱい。これ、おそらく水餃子にして、黒酢につけて食べればちょうどいいのかも。酢醤油ラー油につけるのはダメだ。でも、何もつけずに食べるとまたまた微妙なうす味である。

なんなんだよ!

店主はテレビにも出てるようだが、料理で出ているわけでもなさそうだ。なんと、この店は「さくらみやこ」なのか。ずっと「おうと」と呼んでいた。

結論、この店の料理は、私には塩っぱ過ぎて食べられない。味の濃い方はおそらく気にいるだろう。高血圧の客が多いのではないだろうか。

塩分の摂り過ぎには注意しましょう。

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