キクヤレストラン
羽田空港からモノレールで浜松町へ。今日は移動のみなので、人と会う予定もない。前日に那覇でせんべろにやられてしまったダメージが大きく、とても酒を飲める体調でもなかったから、一人ゆっくりと過ごせるのはとてもありがたい。自宅で家族と過ごせたならもっと幸せだったのだが、それは叶わぬ夢、贅沢というものだ。
ならば健康的な食事とやらをしようじゃないかと自分に言い聞かせ、以前から行ってみたかったレストランで食事をすることにした。それがきくやレストラン。芝四丁目の交差点からガードをくぐると左側にポツンとある店だ。昔ながらの洋食屋さんとお見受けしたのだ。
陽が落ちて暗くなった道を一人で歩く。もうすぐ四月だからか暖かい。今年は桜が早く咲いてしまうのだろうか。家族全員と桜を愛でる機会はあるのだろうかと、店に向かって歩く。ここだ。ビルの一階だ。
メニュー
ショーウインドーには、いかにも街の洋食屋さんらしいメニューサンプルが並ぶ。
店に入ると、好きなところに座れというので、右側の隔離されたテーブル席に座った。さて、何を食べようか。メニューを見る。
料理の種類は豊富だ。いつ来ても飽きないだろう。コロッケ押しの店のようだ。
サラダを食べたい。サイドメニューも充実している。下手な居酒屋よりもいいかもしれない。期待も高まるというものだが、本日は酒は無用だ。飲みに来たのではない、食事に来たのだ。検討を重ねた結果、生姜焼きコロに盛り合わせサラダをセレクトした。
手元に置かれたのは紙ナプキンに箸とフォーク。好きな方を使えということだろう。洋食屋の証だ。
盛合せサラダ
まずはサラダの登場だ。フォークを手に取り、材料を確認する。ハム、キュウリ、ゆで卵、キャベツスライス、レタス、トマトにパセリ。では、実食。マイルドなフレンチドレッシングが素材の味を邪魔しない、みずみずしい野菜はまさに私が求めていたものだ。ここ何日か便秘気味であった。それでお尻に血豆ができたのかもしれぬ。
などと喜んだのもつかの間、ポテサラがしょっぱい。野菜と一緒に食べても、なんだか塩のえぐみが残る。グリーンサラダにするべきだったのだろうか。反面、トマトはものすごく甘い。
トイレは温水洗浄便座だ。
生姜焼きコロッケ
生姜焼きコロッケが来た。サラダはフォークで食べたが、生姜焼きは箸で食べよう。生姜焼きの肉は厚めのロースと肩ロースだろうか。シャキシャキのレタスにはドレッシングがかかっていない。デーブルの上にもドレッシングはない。生姜焼きとともに食べろということだろう。
レタスと豚肉は相性がいいのだ。
味付けは塩がキツめだ。若い頃に幡ヶ谷の喫茶店でよく食べた生姜焼きと味が似ている。あの店も塩がキツかったので、注文するときは塩少なめでお願いしたものだ。生姜もよくきいている。ニンニクも香る生姜焼きをレタスと一緒に食べる。タレの塩辛さをレタスがマイルドに中和する。肉の旨みが溢れてくる。そこにご飯だ。硬めに炊かれた私好みのライスだ。黄緑と茶色と白のトライアングルが口の中で噛むごとに溶け合いアンサンブルを奏でる。
美味い。
生姜がしっかりと自己主張するこの味付けは大人の味わいだ。ポテサラはやはりしょっぱい。
外はサクサク、中は舌触り滑らかなベシャメルソースがとろーりあふれるコロッケは美味しいのだが塩っぱい。
この店の塩加減は、私には厳しい。残念だ。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)