味噌カレーラーメン(牛乳入り)

函館空港 おんじき庭本 味噌カレーラーメン(牛乳入り)

岡山へ

函館空港から伊丹空港を経て、新大阪から新幹線で岡山駅へ。さらにバスに乗り終点の渋川マリンホテルで下車。これが今日の行程だ。前回の函館も慌しかった。今回もやはりゆっくりできない。仕事だから仕方ない。ゆっくり観光などと言ってられないのが残念だ。

昼になり、ホテルを出ると外は明るく、雲の間から青空がのぞいていた。ところどころ日が射している。タクシーで空港に向かう。運転手によれば、これから天気は荒れ模様とのことだった。空港に着いて荷物を預けると、食事の時間だ。

おんじき庭本

さて、何を食べようか。

最初に目に付いたのはラーメン店だ。函館ラーメン、なかなかいいなと思ったのだが、店頭のメニューには塩ラーメンがない。

函館といえば塩だろうと、三階のレストランに行ってみる。イカもウニも入荷なし。戸井産の赤マグロ丼に心惹かれるも、なんとなく朝食も丼だったしなあと、エレベーターで再び一階へ。

仕方ない、ラーメンを食べるか。再び店頭のメニューをよく見たら、塩ラーメンを函館ラーメンと呼んでるとのことだ。なんだ、やっぱりあるんじゃないかと、店に入ることにした。

メニュー

店内はそこそこ混雑していた。お昼時だから当然か。壁際のカウンター席に通されると、メニューを開いた。なんだ、色々あるじゃないか。隣の客がトラピスト塩ラーメンを注文する。そうだよな、それが順当だよなと思ったその時、私の目に飛び込んできた「味噌カレーラーメン(牛乳入り)これは、まさか、あの味噌カレーミルクラーメンのことではないか?

青森県、いや、津軽と呼んだ方がいいか。厳しい北国の寒さを和らげる、刺激的なラーメン。(想像には個人差があります。)実はこれ、青森県では鉄板メニューなのだ。しかも私も妻も、カップ麺しか食べたことがない。カップ麺すら地元限定でしか売っていない。青森に行くか、青森の館山さん(説明略)からネットで何かを買わなければ、このラーメンを食すことはできないのだ。

その本物と、まさか函館で会えるとは。いや、おかしくはない。函館は津軽海峡を挟んで向かい側だ。マグロだって青森の大間と並んで北海道の戸井が有名ではないか。函館市民にも青森に多い姓を持つ者が多数いる。かように函館と津軽は海を通じて文化を共有してきた歴史がある。ならばこいつが函館にあってもおかしくないのだ。さっきまでの塩ラーメンはすっかり頭から吹き飛んだ。こいつにしよう!

店員を呼ぶ。

「決まりましたか?」

味噌カレーラーメンをお願いします。

「牛乳が入っていますよ。大丈夫ですか?」

入ってなければカレーラーメンだ。それは網走名物だ。こいつを食った妻の血糖値が下がらなくて困ったことを覚えている。牛乳が入ってるからこそ、大丈夫なのだよ、君。なとどは言わずに「はい。」と一言で済ませた。あ、餃子もだ。

「十分ほどお時間かかりますが、よろしいでしょうか。」

私は両肘をつき、手を組み、うつむき加減で

「問題ない。」

と答えることはせず、大丈夫ですとだけ答えた。

味噌カレーラーメン(牛乳入り)

予想通り、先にラーメンが出てきた。色合いはまさにカップラーメンのパッケージと同じだ。さて、まずはスープをすする。おお、カップ麺と同じ味だ!けれど、インパクトが少ない。なんだか、薄いというか弱いというか。だが、確信した。こいつは後からじわじわと効いてくる味だ。

続いて麺だ。中太ストレート麺。もちもちしている。コシは弱めだ。もやし、ネギ、にら、メンマを一緒に箸でつかんで食べる。美味い。食感もいいし、スープがよく絡む。薄くて柔らかいが、肉の味がしっかりするチャーシューは私の好みだ。

食べているうちに汗が噴き出してくる。カレーの効果だ。スープもいい感じになってきた。最初にパンチのあるスープは途中で飽きることが多いのだが、じわじわくるタイプは最後まで楽しめるのだ。

餃子

餃子は中身がパンパンに詰まっている。皮はプリプリというかモチモチというか、餃子ではないみたいだ。タレをつけて食べる。ラー油が辛い。というか、肉の味がしない。キャベツばかりなのか。餡の味は薄めで、タレで味をつける感じだ。

今度はたっぷりとラー油入り酢醤油をつけてみる。うーん、餡がパンパンなので、ズシンと腹にくる。飲茶の蒸し餃子みたいで、好みではない。餡を少なめにして、肉の味をぎゅっと閉じ込めた方が好きだ。食べ応えはあるのだが、私には食べきれない。一つ残した。無念。

だが、思いがけぬ形で味噌カレーミルクラーメンと出会うことができた。これこそが旅の醍醐味だと、改めて思うことができたのは、この街のおかげだ。今度は家族でゆっくりと訪れたい。

おんじき庭本

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