寿司割烹 かじ ランチ
福岡空港かは地下鉄で博多駅に着くと、デイトスのエレベーターに乗り地上へ。
さて、なにを食べようか。
選択肢はそれほどない。麺類はパスだ。ん?寿司か。ランチもやっている。しかも「昼の玄界灘祭り」ときたもんだ。福岡県の北側に広がる海、玄界灘も海鮮が美味いのだ。
これは食べるしかない。
玄海握り(松)
店に入るとカウンターに通された。メニューを見る。玄海握りの竹と梅にはサーモンが入っているのか…北海道外でサーモンを食べたくはない。ふと、カウンターの奥に見えたは「玄海握り(松)」少々お高いが、玄界灘を味わえるのなら、それもまた良し。こいつに決めた。
店内はまあまあ混んでいる。目の前で握られた寿司が目の前に置かれた。
まずは和食のセオリー通り、汁物からいただく。こうして箸をぬらせば、寿司をとるのも滑らかになるからだ。
あら汁うまい。
カンパチのかまの片面がどかんと豪快に入っている。一番美味い部分だ。その中でも特に目の周りの肉が格別だ。コラーゲンがプルプル。脂がのって甘い。魚のアラに吸い付く。肉とコラーゲンを削ぎ取って食べる。美味い。
九州だからか。醤油も甘い。
トラフグはポン酢で食べたかったな。でも美味い。
茶碗蒸しは上品な薄口。鳥肉の味が濃厚だ。銀杏がイマイチなのは缶詰だからだな。季節的に仕方ない。
脂がほどよくのったマグロの赤身。混じりけのない、ストレートなマグロの味だ。美味い。
穴子は身が柔らかく、香ばしい。焦げた香りがするが、バーナーで軽く炙ってるのだろうか。玉子焼きも美味い。上品な甘みはエビだろうか。
いくらはシソの香りいい。いつも北海道で食べている身としては、道外だとこんなものか。ウニはダメだ。やはりいつも北海道で食べているから、話にならない。産地で食べつけてしまったら、もう話にならないのだ。
マグロ大トロ。こいつはうまい。それほどしつこくない脂がのった大トロは、口の中でとろけ、ほぐれた酢飯と混ざり合い、味が一体化する。これは意外。ということは中とろはさらに…と期待したが、イマイチ。残念。それになんで博多でマグロを食べなければならないのか。沖縄でも釣れるし、津軽海峡はマグロの一大産地だ。
ごちそうさま
目の前のケースにトリ貝が。こっちの方を食べたい。ランチメニューは「玄海づくし」という名からは程遠い。マグロもイクラもウニも玄界灘にはいない。フグくらいだ。そもそもサーモンとカンパチを避けたい一心で頼んでしまった。イワシうまそう…
え?
目の前に「単品メニュー」と書かれた貼り紙を見つける。
マジか?
ランチメニューではなく、こちらを頼めばよかったのでは?客は大半がビジネスマンだ。観光客ではなかった。地魚ではなく、お手軽な寿司の方がランチとして需要があるのだろう。味のレベルは低くない。私の頼み方が悪い。まさに戦略的には成功だが、戦術的には失敗というやつだ。
意味がわからない?
店選びは正しかったが、食べるメニューを間違えたんだよっ!
後日、地下街にはもっとたくさんの店があることに気づいた。今度はこちらで食べてみよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)