ローストビーフ丼

博多駅地下 Pasta and Cafe FIORI ローストビーフ丼

朝飯を食い損ねる

ホテルで寝ていたときのこと、風邪を引いたのか、咳が止まらない。昨日からしつこいくらいにうがいをしたせいか、喉のイガイガは無くなったのだが、鼻が詰まって口呼吸してしまうために、口の中がカラカラになり、何度も起きてしまった。

それでもうつらうつらと寝ていたら、ベッドの下から唸るような低い声がして起こされた。慌てて起き、時計を見ると朝5時。外はまだくらい。おそらく自分の声なのだろうが、気味が悪くなり、眠れなくなった。

仕方がないので、ネットで無料コミックを読む。IWAMAL、懐かしい。華中華、これもまた懐かしい。ケダマメ、IWAMALと同じ作者か。初めて読んだ。8冊を読み終えたときには、すでに8時半を回っていた。マズい。9時29分の新幹線で博多に向かうのだ。慌てて荷物をまとめると、ホテルをチェックアウトした。

博多駅チカでブランチ

予定通りの新幹線に乗り、博多に着いた。朝食を食べ損ねたので、腹が減った。ここはブランチとしよう。何を食べようか。ラーメンを食べようかとも思ったが、三週間前にも天神で一風堂に行った。とりあえずエキナカに向かう。うーん。これというのが見つからない。蕎麦もなあ。

ふと「ゴボ天うどん」と描かれたのれんに眼を奪われる。そうだな、博多に来たらゴボ天うどんだよな。街灯に誘われる蛾のごとく、ふらふらっと店に近づくと、そこは大福うどんだった。こちらではメジャーなチェーン店だ。うーん、もう少し歩いてみよう。

めしや多幸橋本店。ここで食べたことがある。もつ鍋定食が美味かった。よし、ここだ。店に入ろうとするも、開店は11時だと店員に諭され、仕方なく辺りをぶらぶらする。10分ほどして、もう開店してるだろうと、再び店に向かった。多幸橋本店の手前の「ローストビーフ丼」の看板に、またもや目を奪われた。先ほどまではこんな看板、無かったはずだ。

「希少部位とうがらし」

しかもアボカドとのカップリングメニューも用意されている。

決まった。昼飯はローストビーフとアボカドだ。

念のためにメニューをチェックして、ローストビーフ丼、アボカドトッピングをオーダーした。出て来るのを待つ間に、希少部位とうがらしなるものを検索する。流石にウィキペディアにも説明は無く、焼肉店や精肉店のウェブの情報ばかりだ。要約すると、肩甲骨あたりの肉で、赤身の王道だとか、ローストビーフに向いているとか、一頭から2キロしか取れないとか。要は肩の肉で、みすじやざぶとん、さんかく等の部位とつながっている肉だそうだ。

店内は女性客ばかり。ひとり客が大半だ。おっさんの入る店ではなかったか。食事がなかなか出てこない。まずい、飛行機に間に合うか。この調子では10分で食べ終えなければならぬ。客が店にどんどん入って来る。やはり女性ばかりだ。ローストビーフ丼をオーダーする客もいる。人気商品なのだろう。ますます楽しみだ。

ようやく出てきたそれは、丼というにはお洒落な、カフェ飯だ。まずは箸で肉を一枚つまみ、何も付けずにそのまま食べる。美味い。薄くスライスされた肉は柔らかく、しっかりと赤身独特の味がする。わずかに見える白飯をほじくり、口に入れる。うん、いいね。

次はワサビをつけて一枚食べる。肉には醤油ベースのオリジナルのタレがかかっている。このマッチングがなかなか素晴らしい。最後にワサビがツンと効く。いいねえ。アボカドを口に放り込む。何だろう、アボカドの味はあまりしないが、肉の味が引き立つ感じがする。口の中がサッパリする。アボカドってこんなキャラだったか。

さて、頂上の卵を割って、白飯に絡める。醤油ベースのタレが染み込んだご飯と絡めば、これだけで卵かけご飯だ。ワサビをちょいと付けたローストビーフと合わせて口に入れる。

ローストビーフすき焼き?美味い!

レタスとアボカドは漬物代わりだ。赤身の希少部位にアボカドとレタス。ヘルシーだ。スプーンの方が食べやすい。もはやこいつは丼ではない。ボウルだ。おしゃれなのだ。女子が好むのも当然だ。

スプーンはどんどん進み、ついに最後の一口を食べ終えて完食。時計を見ると、きっちり10分で食べ終えた。間に合った。そそくさと会計を済ませると、壁の上部に上に「肉バル」と「アヒージョ」のメニューを見つけた。入口にはコースメニューも書いてあった。うーん、ランチくらいはいいけど、夜も女子ばかりで浮いたら嫌だな。若い頃は女性に囲まれた方が嬉しかったのに、今は面倒くさい。

さて、土産を買って、妻とけいたまの待つ我が家に帰るとしよう。

Pasta and Cafe FIORI(ヒトサラ)

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