世界貿易センタービル地下飲食街
まったりと沖縄で月末なのか週末を過ごした後、再び出張である。今回は東京で会議をして、徳島に寄り、沖縄に戻る。午前便で羽田に移動ののちに、社宅にチェックイン。荷物を置くと、会議へと向かった。その前にランチだ。浜松町駅南側の店はだいたい食べ尽くした。もちろん、自分が気になった店だけである。ローラー作戦ですべての店に行く必要性はないのだ。好きで食べて、勝手なことを書いている、ただの日記だ。食レポではない。
浜松町駅の北側に向かって歩く。そういえば、モノレール乗り場のあるビルの地下に飲食店街があったはずだ。案内板はしょっちゅう見るが、実際に足を運んでみたことがない。ビルの前にある地下へと向かう階段を降りると、飲食店のインフォーメーションが目に入った。
浜松町の駅地下にこのようなダンジョンがあるとは。
東京での食事の魅力は、何と言っても外国料理である。国際都市ならではの魅力なのだ。沖縄では数店舗しか存在しないタイ料理店も、東京では日常である。ああ、グリーンカレーが食べたいな。いや、トムカーガイも捨てがたい。トムヤムラーメンもいいかなあ、とイメージトレーニングをしながら店へと向かう。
浜松町パクチー、ランチタイム終了。売切れとのことだ。無念。仕方がない、せっかくなので、地下街の店を見て回ろう。食指が動く店もきっとあるだろう。
とんかつ店。豚ロースかつ、カツカレー、冷しゃぶ定食。ううう、これは美味そうだが、私の頭で誰かがささやく。今日はとんかつの日じゃないんじゃね?。何か違う気がする。次回にしよう。
更科布屋
続いて目に入ったのは、更科の文字。私が弱い二字熟語である。この単語は個人的に殺し文句である。蕎麦を食べるという発想はなかったのだが、ふらふらと店に引き寄せられてしまう。
メニュー
店頭に掲示されたメニューを熟読する。
天丼とざるセットも魅力的なのだが、なぜだか蕎麦が食べたい。それもぶっかけ系ではなく、せいろ系だ。蕎麦だけでは物足りないから、サイドメニューもしっかりしたものがいい。導かれる答えは…野菜天せいろ、これだよ。エビとかイカは要らぬ、どうせ冷凍の輸入品だ。子どもの頃、叔父の店でも毎日冷凍エビを水で解凍していたから分かる。当時はイカは国産だったと思うが、今では輸入品がメインだろう。対して冷凍できない野菜は国産に間違いないだろう。
ランチは14時を過ぎても大丈夫とのことだ。やっぱり丼セットにしようか…いや、天せいろ、初心貫徹だ。
前金制なので、レジで先に金を払う。食券はない。
店内はそれほど混んでいない。13時半ともなれば、平日のランチのピークはとっくに過ぎている。一人客が多い気がする。などと店内を観察していたら、点せいろが運ばれてきた。迫力満点…と言えるのだろうか。セイロはお盆に載りきらない。というか、明らかに背の高い人にSSSサイズを着せました、といった感じだ。投げやりなのか、スタイルなのか理解に苦しむが、ツッコむのは止めておこう。
野菜天せいろ
まずは蕎麦だ。箸でせいろからつまみ上げ、めんつゆに少々つけ、一気にすする。うーん、コシが弱め、ゆで加減もあえて軟くしてあるようだ。喉越しもまあまあ。昔ながらのそばだ。子供の頃に蕎麦屋で食べた味だ。めんつゆは読み通り、江戸前伝統の辛口。つけすぎるとしょっぱくてそばが食べられないので気をつけねばならない。
続いて天ぷらに移る。熱々でほくほくの分厚いかぼちゃは甘さ控えめ。なんでかな。もっと甘くても良さそうなのだが。これまた厚めのレンコンはシャクシャク。蕎麦屋の天ぷらだ。たっぷりとそばつゆをつけて食べる。ピーマンは香りよく柔らかく火が通っている。分厚いしいたけもむちむちで食感も味もいい。えのきは縦に噛みきれないので注意が必要だ。玉ねぎは甘くて柔らかい。素材の旨味を味合わせてくれる。甘くてとろけるようなナス天もなかなかである。
お茶のポットがテーブルにないので、近くのテーブルから手元に持ってくる。紙ナプキン等もないので注意が必要だ。こんなこともあろうかと、私はカバンに常に紙おしぼりを忍ばせている。飛行機に乗るともらえるやつだ。新幹線でももらえる。おしぼりをもらえることを知っている人は少なくないだろうが、飛行機でティッシュをお願いするとポケットティッシュがもらえることを知っている人は、どれほどだろうか。まあ、街を歩けば山ほどもらえるので、あまりお願いすることもないが、たまに重宝するのである。
ごちそうさま
締めは蕎麦湯、少々白く濁ったとろみのあるお湯はこの時間にならないと出会えないだろう。蕎麦から溶け出した水溶性の栄養分を残したそばつゆと一緒にいただく。全部飲むと塩分摂りすぎだと叫ぶ医者もいるが、そこは無視だ。作り手に失礼だ。それに毎日そばつゆを飲み干しているわけでもない。私はもともと薄味だし、塩分の摂取量は恐らく多くないはずだ。数年前に試しに何回か測ってみたが、標準量より少し少ないくらいだった。
ご馳走様。感動のある蕎麦ではないが、ホッとする。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)