Qualité Prix(カリテプリ)
以前から機会があればいちど入ってみたいと思っていた店がある。店内は昼夜を問わず満員だ。昼も夜も大人気だ。特にランチタイムは500円で弁当も販売しているので、女子が行列をして弁当を買い求めている。
そんな店に入る機会が訪れた。
交差点にある看板を目にして、この先に店がある事は間違いないことを確認した。Qualité Prixは「カリテプリ」と読むのか。店名の由来が解説されている。
店に着いた。外から見る感じでは満席のようだ。ランチは何が食べれるのだろうか。
メニューを恐る恐る確認していると、中からスタッフがドアを開けて声をかけてきた。
「何名様でしょうか。」
こちらが2名であることを伝えると、奥のテーブルの席が空いていると言う。店に入ると、ほぼ満席だ。
ランチメニュー
家では食べる機会も多いが、外ではめったに食べないのがパスタである。ご飯のメニューもある。ポークステーキ300グラム。昨日のランチもトンテキであった。ポークステーキとトンテキは同一のものである。
うーん、パスタを食べるしかない。日替わりにしようかとも思ったが、日替わりの下に隠れたメニューを見る。揚げ茄子とトマトソースのパスタ。あー、マミーの冷凍食品の揚げ茄子とミートソースのイメージが頭に浮かぶ。
揚げ茄子は甘くてうまい。トマトの酸味にマッチすること請け合いである。
しかし、この店一番のオススメは黒トリュフと雲丹の濃厚クリームパスタ。これもまた外し難い。海産物をうまく使ったパスタはなかなかお目にかかれない。ペスカトーレは普通にある。鱈を使った和風パスタもあるが、それは少々遠慮したい。和食は塩分が多いのだ。
よしならば、このクリームパスタとやらを食べてみようではないか。
ランチサラダ
オーダーすると、間髪入れずにサラダが運ばれてきた。なかなかのボリュームだ。野菜が多いと心が踊る。うれしくなる。だが、ここで私はまたもや致命的なミスを犯していた。いやそうではない、ミスを犯す前にミスが起きていたのだ。ドレッシングをかけないで欲しいと伝える前にサラダが出てきてしまった。
これは不可抗力だ。
ガンダムに乗る前に打たれてしまったアムロのようだ。パイロットがいなければ、モビルスーツもただの金属塊にすぎない。
仕方がない、そのままサラダを食べる。
ああ、シャキシャキしたレタス、薄くスライスされた根菜、この対照的な歯ざわりの対比、色と味とのコントラストを楽しみながら味わえるランチサラダ。しかもこのボリューム。ドレッシングはさほどしょっぱくなかった。オイルがメイン、スパイス控えめ、素材の味を生かしつつ、油脂でコクを出したかのようだ。全体的に軽く混ぜればなおさら塩味が薄まる。うまい。
黒トリュフとウニの濃厚クリームパスタ
続いては、皿の中央にこんもりと盛られたテカテカとシズル感あふれるウニのパスタ。そうだ、この艶やかなクリームの輝き、素人にはなかなか出せない色なのだ。
フォークでパスタと絡め取る。やや麺が柔らかいように感じる。いや柔らかいのではない、しなやかと表現するべきであろう。フォークで非常に巻き取りやすい。そしてパスタを口に運ぶ。
パスタの匂いが鼻を抜ける、ほのかに広がるトリュフの香り、ウニの味わい、モチモチとした食感のパスタ。いわゆる多加水麺と言うやつだろうか。もしくは生パスタだろうか。まさにプロの味。家庭ではこうはいかない。
贅沢な食材をバランスよくパスタと合えた絶妙な一品。至福である。だが、男性にはボリュームが少々物足りないかも知れない。女子ならが別腹とは言え、このあとにデザート用の空き容量を確保しておくのだろうが、アラフィフ男性はそのような思考回路も習慣も持ち合わせていない。だが、気持ち的には満足だ。物足りないくらいでいいのだ。
美味しいパスタが食べたくなったら、また訪れてみよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)