博多 焼肉 慶州 

焼肉 慶州 カレー&チーズの石焼モツ煮込み定食

東京都港区 大門駅 博多 焼肉 慶州

会議の前にスタッフの一人とランチョン、つまり昼飯を食いながら話をしたいと思い、連絡しておいた。お昼時を少し過ぎてからランチ場所を探す。いくつか候補をピックアップしておいたのだが、すべて定休日もしくはランチがなくなってしまったのか、早い時間で準備中になっていた。

どうしよう。

大門の飲食店街をさまよう我々の目に飛び込んできたのは、刺激的なコピーだった。

「カレー&チーズの石焼モツ煮込み定食 900円」

他にも魅力的なメニューが写真とともに満載であるが、本日のオススメの写真は掲載されていない。改めて店を確かめる。

慶州。

それは紀元前から十世紀頃まで朝鮮半島に存在した新羅(しらぎ)王朝の首都であった都市である。かつての日本であった倭国は、朝鮮半島にて白村江(はくすきのえ)の戦いで唐・新羅連合軍に敗れ、外国によって占領される危機を迎えた。朝鮮半島に有していた領土および権益を失った倭国は、外交努力で危機を回避しつつ、これを機に天智天皇が国防体制を見直し、次代の天武天皇が国の制度を整備した。続く持統天皇は701年に大宝律令を制定し、国名を日本に変更した。

このような経緯から、慶州には多くの世界遺産があるそうだ。ちなみに名物はサンパッ(野菜包み)料理とスンドゥブ(純豆腐)チゲだそうな。

改めてメニューを見てみよう。ランチは焼肉、チキン南蛮、モツ煮にトンカツにクッパ。韓国料理は一品だけだ。美味ければいいか。

テーブル席に通された我々は、目の前のコップを取り水を入れた。あとは箸と爪楊枝に銀色の容器。何が入っているのか気に留めずにいたのがあとで悲劇をもたらすとは、この時はカケラも思わずにいた。

カレー&チーズの石焼モツ煮込み定食

やはり最初に気になったものを食べよう。店員に料理名を告げた。

「おいしいですよ。」

微笑みながらオーダーを受ける店員が微笑ましい。続けてランチならではの宣告を受ける。

「混んでくると相席になります。」

我々はゆったりと四人掛けテーブルに二人で座っていた。確かに隣のテーブルには二人客が向かい合わせに座っていたが、その隣に一人客を二人、座らせている。

容赦ないな。

幸い、私の席には誰も来なかった。ゆったりと食事ができそうだ。

待つこと数分、店員がグツグツと煮える鉄鍋を我載せたプレート、つまり石鍋等定食一式を差し出してきた。

「受け取っていただけますか?」

え?置くんじゃないの?確かに片手でプレートを持っていては、テーブルの上に載せることはかなわない。こぼれないように慎重に受け取り、眼前に設置した。

サラダは甘辛い味の、いかにも自家製ですと言った感じのドレッシングがかかっている。少し乾燥しているだろうか。

スープ。味はメモを忘れてしまったので覚えていない。残念。

ご飯は少し固めで、つぶが立っている、私好みの炊き具合だ。

さあ、いただくとしよう。

もつ鍋の上にカレーとチーズ。静岡の清水モツカレーとも異なる趣である。石鍋を使うこと以外、そもそもこれが韓国料理である必要性があるのか、はなはだ疑問ではあるが、決めつけるのは時期尚早だろう。グツグツと煮えたぎる鍋にチーズとカレーをよく混ぜる。熱いのを回避し、ゆっくり冷ましつつ食べる。クリーミーでコクのあるカレーだ。ブドウのような味がする。

そのまま食べても美味いし、ご飯と合わせてもいい。モツカレーが美味いのは知っていたが、チーズがこれほどコクを与えるとは。しかも石鍋でぐつぐつ煮えているので、冷めにくく、いつまでもチーズがトロトロである。箸休めにサラダを食べる。甘辛ドレッシングと野菜のコンビネーションが、カレーとは違う味わいを与えてくれるので、口の中がさっぱりする。

美味かった。

ごちそうさま

食べ終えて満足感と満腹感に浸っているところに、隣席の若いカップルの会話が飛び込んできた。女性が男性に言った。

「ねえ、この容器ってなに?」
「開けてみれば?」

女性がおもむろに銀の容器を開けた。

「あ、明太子だ!」

なにいいいいいいい?!明太子だと?そうか、博多と名の付くだけあって、この店は九州の会社なのか。ならば明太子があるのは当然である。ああ、無視せずに中身を確認しておけばよかった。後悔先に立たずとは、まさにこのことである。

教訓、テーブルの上の容器の中身は、食前にすべて確認すべし。

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