新千歳空港ランチ
予定通りに空港に着いた。この後は11時50分までラウンジで過ごし、12時20分までに食事を終えて、12時25分に飛行機に乗る予定だ。荷物を預けてラウンジで仕事をする。11時48分、予定通りラウンジを離れた。
11時50分、豚丼を食べる気満々でフードコートにやってきた。ここに足を踏み入れる初めてだ。20分で食事を終えれば、余裕で飛行機に乗れる。搭乗ゲートの前にあるから乗り遅れる心配がない。
富川製麺所
海鮮も美味そうではあるが、この二日間、個人的に海鮮祭りだったので、違うものが食べたい。そもそもここに来た目的は豚丼を食べるためだ。美味そうなランチを見ても心動かない。そうだ、初心貫徹だ。目先の欲望に目が眩んで浮気をするとロクな目に合わないものだ。
そんな私の心をグッと引き寄せたのは、四川麻辣味噌拉麵。ああ、四川の辛味噌、つまり痺れる花山椒と刺激的な唐辛子が加わった味噌ラーメン。なんということだ。私の心は激しく揺れだした。
落ち着け。
豚丼も見てみよう。はう!この店限定の山わさび豚丼だと?
これも食いたい!
豚丼かラーメンか、それが問題だ。豚丼と味噌ラーメンの狭間に揺れる五十路心。両方食べられれば何の問題もないのだろうが、それほど若くはない。人生の伴侶に選べるのはいずれかだけなのだ。これが現実だ。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。
きっと私は刺激に飢えていたのだろう。熟慮の末にラーメンを選んだのだった。餃子を焼くのに五分ほどかかるとのことだ。ブザーを渡されたので、机を確保し、呼び出されるのを待った。
四川麻辣味噌拉麵
五分ほどしてブザーが鳴った。ラーメンを取りに行く。スタッフが目の前で挽きたての花山椒をラーメンにかけている。
これは楽しみだ。
席に戻ると、さっそく食べてみた。まずはスープ。少しピリ辛だが、鶏ガラベースのほんのり魚介を加えたスープに味噌が香る、豊かな優しい味だ。何口か飲んだ後に、花山椒の入った辛肉味噌を箸で軽く混ぜて溶かす。再びスープを飲む。
はう!
口の中に痺れが広がる。きたー!花山椒だ。この刺激がたまらない。
麺は細めの縮れ麺。色が韓国の冷麺みたいな、くすんだ色をしている。焙煎した富良野産の小麦を引いたもので麺を打っているからなのだろう。コシは弱いが伸びがすごい。スープがよく絡む。熱い汁をたっぷりと吸った生野菜の薬味、炒めた豚ばら肉とキャベツと白菜、これらが麺と混ざり合ってスープをまとい、口の中で複雑な味わいと刺激を繰り広げる。頭から汗が吹き出る。
チャーシューは柔らかい。スモークの香りがいい。煙人で食べるスモークチキンのような香りだ。富良野の山桜を使った低温チャーシューとある。まるでハムのような味わい。肉の旨味と脂の甘み。刺激的なスープにもマッチする不思議なチャーシューだ。
餃子
忘れてはいけないふらの餃子。薄いがしっかりと歯ごたえのある皮と、噛むと口の中でボロボロと崩れていく優しいあんが、ラーメンとは対照的だ。しかし刺激的な味わいの前には霞んでしまうのが残念だ。
食べ始めは少ないと思ったスープの量も、食べ終えてみるとそんなことはなかった。顔が汗だくだ。温泉に入るよりも汗が出る。
ごちそうさま
ああ、満足だ。満腹になれば豚丼への未練もなくなった。そう、いわゆる「賢者タイム」である。本能が満たされた生物は大人しくなるのが自然の摂理なのである。
さあ、物資も補給した。沖縄に帰ろう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)