名寄から旭川へ
北海道名寄市より那覇に帰る。経路は主に2つ、旭川空港を使うか、新千歳空港を使うかである。名寄から旭川までは1時間、新千歳空港までは2時間。合理的に考えれば、旭川空港経由である。
さらに言えば、北海道の食材を沖縄まで持ち帰るのには、どこが便利なのか。旭川空港を使う場合、奈良から旭川駅まで電車で向かい、そこからはバスで空港に行く。新千歳空港の場合はやはり飛鳥旭川空港で乗り換え、定生特急で札幌借り換えのエアポート快速で空港にたどり着く。
結局、旭川駅で買い物をすることが1番便利だと言う結論になる。旭川駅にはイオンが併設されている。買い物はとても便利なのだ。
よし寿司
恒例の物資補給を行うと、バスで空港へと向かった。着いたのはちょうど昼前である。フライトは13時05分。ランチを食べるには絶好のコンディションである。
さて、何を食べようか。
昨日は名寄で何を食べたのか?昼はバーベキューだった。夜はホテルでパーティーだった。いずれも肉を食べた。名物の煮込みジンギスカンだ。二次会には行かずに、部屋で一人飲んですぐに寝た。
なるほど。ならば海鮮を食べるしかなかろう。ちょうど目の前に鮨屋がある。
店は決まった。ビジネスの基本はいつ、どこで、なにを、どうするかである。
いつ?今でしょ!
どこで?ここでしょ!
なにを? ←今ココ
どうする? 食べる!
実は旭川駅で会社の役員と出くわしたので、二人で買い物をして、食事も一緒だ。二人ともこれから沖縄に帰るのだが、私はJALで、彼はANAだ。彼がANA派かどうかは知らないが、私はJAL派と言うわけでもない。どちらのステータスもダイヤモンドなのである。
握り鮨かちらし寿司か、それが問題だ。見た目に豪華なのは「よし寿司ちらし」、店名を冠しているほどなのだから、店主もそれなりにこだわりがあるのだろう。よし、これに決めた。役員も異論はないとのことだ。二人して店に入った。
メニュー
テーブル席に通されると、サイドメニューの確認だ。これだけのチラシ寿司を食べるのに、酒がないのは人として許されることではないだろう。怠惰であろう。なんとプレモルがあるではないか。だいぶ慣れたが、やはりスーパードライは好きになれない。あの、独特のなんというか、あの味が嫌いなのだ。
しかも角ハイボールまであるとなれば、お代わりは必死である。昼酒は効くのだよ。しかし二人ともこの後は沖縄に帰るだけだ。やることと言えば、羽田で乗り継ぐ程度だ。しばしお別れの北海道の秋の味覚を、しっかりと味わおうではないか。
よし寿司(特上チラシ寿司)
ついにその全貌を現したチラシ寿司。店の名を冠した特上品である。北寄貝、いくら、うに、平目、大トロ、たこ、サーモン、カニ。北の海が育てた至宝の食材たちがこれでもかと鮨桶のなかに鎮座している。列挙している。enum型なのである。
ボタンエビの存在感が半端ない。あきらかにメンチを切っている。こいつは無視するわけにはいかない。喧嘩は売りませんが、売られた喧嘩はすべて買います、と某コンビニ店員のセリフではないが、チンさん、売り物食べすぎだよ。
ボタンエビの両脇にはイクラと雲丹が鎮座している。まさに水戸黄門、いや将棋の金だろうか。この色はムラサキウニであろう。いくらもシーズンに入った。旬だ。赤いエビの下に待機するのは、同系色のカニとサーモン。カニは言わずもがなであるが、特筆すべきはサーモンなのだ。
この店に限らず、北海道で食べると身が「ふわっ」としている。刺身を食べる表現としてはどうかと思うが、そうとしか言えないのだ。標津でも紋別でもそうだった。内地で食べるサーモンとは明らかに味も食感も違うのだ。
カラフルな食材だけではない。白い奴は強いというジンクスがある。連邦軍の新型しかり、ユニコーンしかり、ショクパンマンしかりである。二色の機体を持つホッキ・ガイ、生食の食感が魅力のミ・ズダコ、そして白身の定番ヒーラメである。
鮮度抜群、旨味最高、 ああ、食が進む。北海道、万歳!ビールなど、すでに失せたわ、角ハイボールを持ってこい!ボタンエビは味噌まで甘くて美味である。そう、鮮度が高くなければ、エビ味噌は臭くて食べられたものではない。内地で頭付きの海老を食べると、そんな事故は珍しくもない。だから頭はゆでて出汁にしてしまうのだ。味噌汁に入れれば臭みも消える。
気が付けば二杯目の角ハイボール。まだ昼間だ。鮨も食べ尽くした。満足。役員が会計を済ませてくれた。ごちになります。では、搭乗に向かいますか。
6時間後には自宅に着いているはずだ。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)