ANA1621 高松ー那覇 プレミアム御膳

朝もたっぷり食べたというのに、ランチタイムになれば腹が減る。人間の基礎代謝におけるエネルギー消費量はそれなりのカロリーなのだが、やはり最近は少々食べすぎだろうか。飛行機が水平飛行に移ると配膳が始まった。プレミアム御膳は500キロカロリーほどに抑えられている。

案の定、512キロカロリー。想定内だ。つまり、腹六分目にしかならないことを意味する。ううむ、夕食まで空腹に耐えねばならないのだろうか。しかも、食事の準備は私の担当だ。空港近くのスーパーで調達した食材で、夕飯を作るのだ。お魚大好きなけいたまとゆうたまも楽しみにしているはずだ。だが、空腹での調理は精神衛生上、かなりのストレスを要するのである。その前に、自宅の片付けが待っている。私の出張中は、片付けが苦手で要領の悪い妻が孤軍奮闘しているのだ。溜まった家事をやっつけるのも私の仕事だ。

今日もご飯が冷たいので、お茶漬け状態で食べることにする。人参は甘い。ぷりぷりの椎茸は冷たすぎる。噛むごとに歯に負担がかかるようだ。5回も歯医者に通って歯石をすべて除去したばかりだ。あさりご飯を食べてお茶を一口。ああ、一気に味が広がる。美味い。上品な味付けだ。緑茶とも相性がいい。

ジューシーなだし巻き卵は意外にも冷たくなかったが、ご飯が冷たいので、やはりお茶を飲む。噛むたびにだし汁が溢れる、まるでがんもどきのようだ。こんなのが作れたら、けいたまもゆうたまも喜ぶだろうなあ。

鯖塩焼きもそれほど冷たくはない。冷えたご飯と食べると味が一段とぼんやりしてしまうが、お茶を飲めば旨味が花開く。しっかりとした鯖の味を感じることができる。鯖茶漬けのようだ。メニューには鯖塩焼きと書いてあるが、身が柔らかい。煮付けと焼き物の中間のような食感。これも子供達が喜びそうな一品だ。

鳥塩焼きはちょっと硬めでごわごわしているが、お茶を飲むと食感が滑らかに変化する。味も深みが増して優しくなる。お茶でお腹が膨れつつあるのがわかる。

味噌汁はすでにぬるい。

ナスとフキはしっかりと出汁がしみている。ナスは揚げだしなのか、実が吸った油の甘みがご飯とマッチする。

ほうれん草のおひたしはひじきと揚げの味しかしない。出汁は効いているがしょっぱすぎる。お茶も切れてしまった。タコの唐揚げも味付けはいいのだがしょっぱい。熱いお茶が届いた。これでまた戦うことができる。ラストはつみれだ。舌触り滑らかだが、甘めの味付けとしか感じられない。熱いお茶を飲むと、魚の香りがする。青魚のような臭みがない。白身魚を使った上品なつみれだ。

ご飯が一口残った。口に入れる。冷たい。味がしない。お茶を口に含める。をを!ほのかなあさりの香りが鼻を抜けていくではないか。ご飯だけでも温めてくれれば、味わいがだいぶ違うものであっただろう。いつもの737型ではなく、今回は767だ。修学旅行生が乗っているので、大型機を使用したのだろう。ならば調理設備もあるのではなかろうか。

いずれにしろ戦いは済んだ。熱い緑茶という大量調味兵器が無ければ、心折れていたであろう。大量の液体を摂取したために、おなかもタプタプだ。おかげで空腹感は無い。あとは那覇までゆっくりと休んで、自宅に着いたら鼻詰まりとゆうたまと外耳炎のけいたまを連れて、家族で耳鼻科にゴーなのである。

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