ステーキ

秋田市 川反 ビリー・ザ・キッド

秋田の夜

醍醐で天ぷらを堪能したのち、我々が向かったのは飲み屋だ。知人の山本氏が我々を先導する。なんでも、山本氏が入れ込んだ女性が勤めてる店だとか。いや、違うな。山本氏が最近、フラれた女性がいる店なのか。

よくわからん。

「なんで振られたの?」

同席者が問いかける。

「うん、身体の関係がないと私と付き合えないのって聞かれたので、そうだよって答えたら振られた。」

それって、やらせないなら別れるって言ったも同然だよね。

でも、フラれたんでしょ?なんでその店に行くの?山本氏が答える。

「その子の誕生日なんだ。」

へー。一同、顔を見合わせる。意味がわからん。誰かが確かめるように言った。

「でも、フラれたんだよね?」

目的の店に着いた。ボックス席に通される。ところで知人を振った子は?

「今日、出勤してないって。」

は?意味わからん。誕生日なんでしょ?それでこの店に来たんだよね。

山本氏が答える。

「誕生日は一昨日だよ。」

もう、好きにしなされ。

一時間ほどで店を後にして、もう一軒。かなり盛り上がっている。記憶も話題も覚えていない。なにを話していたのだろうか。一つ言えることは、仕事の話ではない。なぜなら、

「会議はあんなに白熱したのに、飲みの席では一つも話題になりませんね?!」

と自分が言ったことを覚えているからだ。

気がつけば午前様だ。0時半だ。そろそろ帰りますか。同席者が言った。

「沖縄では締めにステーキ食べるじゃないですか。秋田でも食べませんか?」

締めにステーキって決まってるわけじゃないのだが、まあ、よかろう。食べてみようじゃないか、秋田の締めのステーキとやらを。

大衆ステーキ ビリーザキッド

連れてこられたのはこの店。あれ?関東にもなかったかな。奥のガールズバーも気にならないではないが、酒はもういいか。

店内は欧米風だが酒は居酒屋風だ。和洋折衷だ。

さて、なにを食べようか。オススメはキッドステーキ。

サイコロステーキねぇ。

サイドメニューもいろいろと。

ステーキピラフ。禁断のメニューだ。でも、流石にこれは食べたくても食べきれないような。

自家製ハンバーグ。美味そう!どうしようかな。いや、ここはステーキ屋だ。沖縄の締めはステーキと言うのだから、やはり王道を行かねばならぬも、後ろ髪引かれながらキッドステーキをオーダーする。もちろん、ドリンクはハイボールだ。

全員ヘロヘロだ。

やってきました。サラダとステーキ。サラダはミニサイズだが、シャキシャキして美味い。生野菜っていいな。続いてメインのステーキだ。沖縄ならA1ソースもしくはニンニク醤油なのだが、ここは秋田なのだ。醤油を少々垂らしていただく。うん、なかなか脂がのって美味い。和牛とは違う、赤身を味わうステーキだ。沖縄と変わらない、アメリカンステーキだ。酒が進む。ワインが飲みたいところだが、やめておこう。

ポテトはすいません、残します。にんじんはいただきます。最近、太ったので、すこし体を絞らないとまずいのです。いろんな人が確かめるように「最近、太りましたよね?」と声をかけてくる。ズボンのサイズもベルトの穴の位置も変わらないのだが、顔がでかくなった。腹も以前より出ている。

認めたくないものだな、不摂生ゆえの肥満とは。

え?山本さん、それは…禁断のステーキピラフでは?写真撮らせて!

美味そうだ。炭水化物って美味だもんね。しかも、そのボリューム!がっつくことができれば、どれほど幸せだろうか。いや、まだまだ幼い恵珠と妻を抱える身だ。不摂生で早死にすることは許されない身体だ。生命保険もまだ十分な額ではない。頑張って稼いで、私の実に万が一のことがあっても、万全にしておかねば、死んでも死に切れぬ。うう。若いっていいなぁ…って、山本さん、私とあまり歳変わらないよね。

「あれ?ごはん食べないんですか?いただきまーす!」

私が手をつけなかったライスを山本氏は私の返事も待たぬままに食べだした。よく食べるのぉ。元気なわけだ。

たまには県外でステーキ締めもいいなぁ。焼肉締めはよくあるのだが、深夜に空いているステーキ店って、地方ではほとんど見かけない。ただ、ステーキにも欠点がある。調子に乗って食べ過ぎると、翌日胃もたれして溜まらないのだ。さあ、明日は吉と出るか、凶と出るか。ホテルに戻って休みます。皆さん、おやすみなさいませ。

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